宇都宮市は栃木県の県庁所在地であり、東京からは約120km離れています。両都市間は鉄道での移動がメインであり、高速バスは運行されていません。高速バスは宇都宮羽田空港間であれば、多数のバスが運行されています。鉄道は新幹線、JR宇都宮線、東武鉄道の3つがあります。それぞれを比較してみていきます。
JR東北新幹線やまびこ・なすの
東京駅⇔東北新幹線 やまびこ・なすの⇔宇都宮駅 | グランクラス グリーン 指定席 自由席 | 10.440円 7,290円 5,020円 4,490円 | 48分~ |
はじめに東北新幹線を見ていきます。東北新幹線はやまびこ号、および各駅停車のなすの号を利用します。最安値は自由席4,490円、移動時間は約50分です。やまびこ」、「なすの」どちらも停車駅が大きく変わるわけではないので、移動時間に差はありません。運行本数は多く、1時間あたり4~7本停車します。下記は割引切符ですが、利用者が多い区間なのでその数も充実しています。
トクだ値1 | 指定席 | 4,330円 | 当日までの購入。5~10%割引 ICカードでのみ利用可能 |
トクだ値14 | グリーン 指定席 | 4,950円 3,360円 | 13日までの購入。25~30%割引 ICカードでのみ利用可能 |
新幹線eチケット | グランクラス グリーン 指定席 | 10,240円 7,090円 4,820円 | ICカードのみで乗車可能 |
JREPOINT アップグレード | グランクラス グリーン | 4,820円 | 3,500~8,500Point使用 |
金券ショップ | 指定席 自由席 | 4,910円 4,280円 | |
学生割引 | グランクラス グリーン 指定席 自由席 | 10,040円 6,890円 4,620円 4,090円 | 学割証明必要。 |
料金の幅は3,360円~10,240円です。この中で最も安いのは、トクだ値(13日前予約)の指定席3,360円、次が学割の4,090円、金券ショップの自由席4,280円です。基本的に、学割と金券ショップ以外は、指定席以上の料金が安くなる切符で、電子切符、ICカード利用が前提です。JRの電子切符は、グリーン席、グランクラス席が大幅割引され、指定席や自由席と変わりない料金で利用できます。
新幹線+宿泊パックツアーを利用する
東京もしくは宇都宮で1泊以上するのであれば、ホテルとセットになったツアーを利用する方法も有効です。これは移動と宿泊がセットになったツアーパックで、別々に予約するよりも安い価格です。具体的にどの程度安くなるのか?例をあげていきます。ホテルの料金は安いビジネスホテル5,000円と仮定します。1泊以上または、これより高いホテルに宿泊すれば、ツアーの料金も高くなります。
東京⇔東北新幹線 ⇔宇都宮(往復・ホテル1泊) | すべて込み 11,600円~ | 別々に予約した場合 新幹線:4,490円x2 ホテル:5,000円~ 合計:13,980円~ |
ツアーを検索すると、最安値が1泊11,600円のものからあります。これらを別々に予約すると13,980円で、差額にすると2,380円安くなります。新幹線の往復運賃は、自由席料金で計算していますが、これをトクだ値14でや1で往復利用すると、ほぼ同じくらいの料金になります。
JR東北本線(宇都宮線)
東京駅⇔東京上野ライン ⇔宇都宮駅 | 1,980円 | 1時間52分~ |
次に在来線を見ていきます。この区間は東北本線の東京上野ラインを利用して移動します。東京発宇都宮行きおよび、その逆も運行されているので乗り換えなしで移動できます。なお、宇都宮線の運行本数は非常に多いものの、東京宇都宮間を運行する列車は1時間当たり1本、多い時でも4本で、それほど多いわけでありません。時間帯によっては乗り換えが必要になることがあります。また、湘南新宿ラインという列車も運行されていますが、こちらは東京駅には停車せず、新宿駅方面へ向かいます。運行列車が多いので、行き先を確認する必要があるでしょう。なお起終点は東京駅、新宿駅ではなく、その先の東海道線で神奈川県です。東京駅以南の浜松町や品川、川崎、横浜方面へ向かう場合も、乗り換えなしで行けるので便利です。運賃は1,980円、移動時間は1時間52分です。
停車駅が多く混雑する在来線を利用するため、正直、快適ではありません。時間帯によっては満員電車で移動することがあります。これを避けるには、グリーン車を利用する方法があります。グリーン車であれば、特急の座席と変わらない快適性を保つことができ、混雑の時間帯でも着席して移動できます。もっとも、グリーン席でも空席がなければ立って移動することになるので、混雑する時間帯は利用できないことがあります。グリーン席の料金は乗車券に加え、Suicaグリーン券で1,550円、通常の切符では1,810円です。つまり料金は3,530円~3,790円です。
在来線のグリーン席と新幹線との比較
JRでグリーン席を利用した場合、新幹線の自由席4,490円よりは700円~960円安くなります。しかし、移動時間の面では1時間以上も差が出てくるうえに、混雑で座れないこともあると考えると、そこまでコストパフォーマンスが良いかと言われると疑問です。また、新幹線のお先にトクだ値14を利用すれば、在来線のグリーン席よりも安い3,360円で新幹線に乗れます。この切符が購入できるのであれば、時間のかかる在来線を利用する選択肢はないでしょう。
東武宇都宮線・スペーシア
東京駅⇔都バス⇔浅草駅 ⇔特急スペーシア⇔栃木 ⇔東武宇都宮線⇔東武宇都宮駅 ⇔バス⇔宇都宮駅 | 東京バス:210円 東武:2,690円 宇都宮バス:190円 合計:3,090円 | 東京バス:約30分 東武:約1時間55分 宇都宮バス:約5分 約2時間30分 |
次に東武鉄道を利用したケースを見ていきます。このルートは、JRではなく東武鉄道宇都宮線と日光線の特急を利用して、移動するルートです。東京駅、宇都宮駅間を直接結んでいないので、両端の駅ではバスを利用しています。この場合の運賃は、バスと東武のスタンダードシートを含み3,090円、移動時間は乗り換えなどを合わせて約2時間30分です。プレミアムシートを選択した場合は数百円の料金が上乗せされます。このルートは新幹線よりも運賃は安いものの、乗り換えが複数回あり移動時間がかかるためお勧めできません。特に渋滞で移動時間が計算できないバスを利用する上に、乗り換えがスムーズにいかなければさらに時間がかかります。在来線を利用するのであれば、乗り換えのないJR宇都宮線の方が圧倒的に便利でしょう。
このルートが選択肢に入るのは、起終点が東京駅ではなく、東京側が浅草、隅田、北千住、栃木側が栃木市、東武宇都宮線の沿線になる場合でしょう。特に浅草~東武宇都宮線の沿線の移動であれば、JRを利用するよりもこちらの方が便利です。なお、北千住駅で東武線からJR線に乗り換えて、東京駅へ向かうルートもあります。
まとめ
以上をまとめると、運賃が一番安いのはグリーン席を利用しない在来線(JR東北本線)です。移動時間や快適性の面では新幹線です。東武鉄道は利用する区間によっては選択肢に入りますが、東京宇都宮間の移動には不向きです。交通費を節約したいが、着席はしたいのであればJRのグリーン席が選択肢に入ります。しかし、新幹線のお先にトクだ値14が安いので、その切符が購入できれば、運賃も安くなるので一番コストパフォーマンスが良くなります。
移動手段比較早見表
移動手段 | 通常運賃 | 最安値運賃 | 移動時間 | 備考 |
東北新幹線 はやぶさ | 4,490円 | 3,360円 | 48分 | 最安値はトクだ値14 |
ツアー | 3,300円 | 〃 | 運賃は、ホテル代5,000円を引いて 片道の運賃で計算 | |
JR東北本線 | 1,980円 | 1時間52分~ | ||
JRグリーン席購入 | 3,730円 | 3,590円 | 〃 | Suicaグリーン席が最安値 |
東武鉄道 | 3,090円 | 約2時間30分 |