名古屋仙台の移動手段比較(新幹線・高速バス・飛行機・フェリー)

名古屋城 名古屋と都市間の移動

ここでは、愛知県の県庁所在地である名古屋市と、宮城県の県庁所在地である仙台市の都市間移動についてみていきます。両都市間は約650km離れており、移動手段は新幹線、高速バス、飛行機とフェリーの4つが上げられます。また、飛行機については、LCCも就航しており、双方が大都市というだけあって、移動手段は充実しています。ここでは、4つの移動手段について、それぞれ比較していきます。

東海道新幹線・東北新幹線

東海道・山陽新幹線こだま・ひかり・のぞみ
JR東北・北海道新幹線 はやぶさ号
名古屋⇔東海道新幹線
⇔東京⇔東北新幹線⇔仙台
33,180円(グランクラス)
27,940円(グリーン)
20,620円(指定席)
19,030円(自由席)
3時間22分
~3時間49分
*グランクラスの料金は、東海道新幹線ではグリーン席を利用した料金を表示。

はじめに、鉄道での移動について比較します。この場合、新幹線で移動しますが、名古屋東京間を東海道新幹線、東京秋田間は東北新幹線を利用します。運賃は最安値で19,030円です。東北新幹線では「はやぶさ」「こまち」には、自由席が設定されていないので、この料金は「やまびこ」の自由席を利用した場合です。移動時間は、最速達の列車「のぞみ」「はやぶさ」で3時間22分、「のぞみ」「やまびこ」で3時間49分です。東海道新幹線区間を「ひかり」した場合、ももう少し長くなりますが、停車駅が少なければ、それほど変わりません。「やまびこ」は、「はやぶさ」に比べて停車駅は多いものの、東海道新幹線にある通過待ちがなく、移動時間もそこまで変わりません。運行本数は、いずれも1時間に1本以上は運行されているので、本数については問題ありません。

割引切符についてですが、学生割引(2割引)を除くと、この区間の割引切符はありません。JR東海、JR東日本の2社をまたぐ割引切符が存在しないのが理由です。強引なやり方を使えば、東京名古屋間は早特やぷらっとこだま、東北新幹線はトクだ値を利用することで安くできます。例えば、下記のように割引切符を購入できます。

東海道・山陽新幹線こだま・ひかり・のぞみ名古屋⇔東海道新幹線のぞみ⇔東京早特ワイド28 指定席:9,700円
(通常運賃は自由席で10,560円)
JR東北・北海道新幹線 はやぶさ号東京⇔東北新幹線はやぶさ⇔仙台トクだ値14 指定席:7,610円
(通常運賃は指定席で11,090円)
合計運賃17,310円

これらを合わせると、通常運賃よりも1,720円安くなります。ただし、上記のような割引切符を複数利用する方法は、後述する理由からお勧めできません。なぜなら、乗車する列車が指定されることが多い割引切符の場合、乗り換えで、次の指定された列車に乗り遅れた場合、その切符が無効になることがあるからです。例えば、東海道新幹線が東京駅に遅れて到着、その次の東北新幹線の指定の列車に乗車できない場合、東京以北については、新たに切符を買いなおす必要がでてきます。この場合、トクだ値が無駄になり、指定席切符11,090円を買いなおす必要があります。これは大きな損失でしょう。指定の列車に乗車できなければ、損をしてしまうことを考えると、東京駅をまたいで、別々の割引切符を利用するのはお勧めできません。

下記は学割を利用した場合の運賃になります。自由席は、東海道新幹線の自由席と、東北・秋田新幹線の指定席料金を合わせた額です。

学生割引グランクラス31,110円
グリーン  25,870円
指定席  18,550円
自由席  16,960円
学生証掲示で2割引

ツアー(鉄道)

次にツアーを見ていきます。ここでは鉄道の個人ツアー(1人)、仙台から名古屋への往復の旅行ツアーを例に取り上げます。

JR東北・北海道新幹線 はやぶさ号
東海道・山陽新幹線こだま・ひかり・のぞみ
仙台駅⇔東北新幹線⇔
東京駅⇔東海道新幹線⇔名古屋駅
すべて込み
34,400円
別々に予約した場合
新幹線:19,030円x2
ホテル:5,000円~
合計:43,060円~
*価格は変動あり。情報はページ作成時直近のものであり、具体的な価格、差額は日によって異なります。

ツアーの最安値は、34,400円です。これらを別々に予約すると43,060円かかりますが、差額にすると8,660円安くなります。これは1人で1泊の料金なので、人数を増やすか宿泊数が増えれば、その分の料金は増えます。また、夏季や行楽シーズンはこれよりも高くなります。さらに、ホテルの料金は5,000円としていますが、高級ホテルに宿泊すれば料金は増えます。これを片道当たりの料金に計算(ホテル代5,000円を引いて運賃を2で割る)すると、14,700円です。この区間は割引切符がないので、ツアーを利用する方法が、鉄道の運賃を安くする唯一の方法です。料金もさることながら、ホテルと交通費を一括で予約できるので、別々に予約する手間を減らせます。

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高速バス(夜行バス)

名鉄バス名鉄バスセンター・浜松駅
⇔名鉄バス⇔仙台駅
9,600円夜21時発、朝7時着
青木バス三重・栄・名古屋駅
⇔あおぞらライナー
⇔仙台バスターミナル
10,000円~夜22時発、朝8時着
*バスの運賃は日によって変動あり。

次に夜行バスを見ていきます。夜行バスは、全部で2便が運行されています。いずれも名古屋駅(名鉄バスセンター)と仙台駅(ヨドバシ仙台第一ビルバスターミナル)間を運行しており、運賃は約10,000円夜発で朝に到着する便になります。2つのバスの違いは、前者は浜松にも停車する点で、豊橋、浜松方面からも利用できます。後者は三重の松阪を発着とするバスで、松阪・津・四日市に停車します。仙台側は、仙台駅発着のバス以外にも、名取駅発着のバスもあります。停車するバス停が異なるので、三重方面が発着であれば、後者の青木バスのあおぞらライナー、浜松が発着であれば、前者の名鉄バスが、選択肢になるでしょう。

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飛行機(ANA・IBEX・Peach)

LCC,格安航空券名鉄名古屋駅⇔空港特急⇔
セントレア⇔ANA・IBEX
⇔仙台空港⇔アクセス鉄道
⇔仙台駅
ミュースカイ:980円
飛行機:15,730円~
仙台鉄道:660円
合計:17,370円~
ミュースカイ:約35分
飛行機:1時間~
仙台鉄道:約25分
合計:約3時間
LCC,格安航空券名鉄名古屋駅⇔空港特急⇔
セントレア⇔LCC(Peach)
⇔仙台空港⇔アクセス鉄道
⇔仙台駅
ミュースカイ:980円
飛行機:7,960円~
仙台鉄道:660円
合計:9,330円~
ミュースカイ:約35分
飛行機:1時間15分
仙台鉄道:約25分
合計:約3時間
15分

次に飛行機を見ていきます。飛行機は、ANA・IBEXが1日5便、LCCのピーチが1日1便運行しています。運賃は最安値の格安航空券で15,730円、LCCの場合は、それよりもさらに安く7,960円です。バス、空港アクセス鉄道も含めた合計は前者が17,370円、後者が9,330円です。LCCが圧倒的に安いのがわかります。航空券の価格は変動するので、上記よりも高い日もあり、新幹線よりも高くなることがあります。移動時間は、待ち時間+1時間を含めて3時間~3時間15分です。飛行時間は、それぞれの便によって多少異なり、LCCの方が少し長くなります。ただし、待ち時間で調整できるので、誤差の範囲です。新幹線と比較すると、こちらの方が多少短いですが、待ち時間によっては、こちらの方が長くなることがあります。

空港までのルートのうち、名鉄ミュースカイは、指定席の料金を含みません。特別車の指定席を指定する場合は、+450円の料金がかかります。都心と空港の移動は、いずれも鉄道になるので、ダイヤが乱れない限りは、移動時間が長くなることはありません。

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フェリー(太平洋フェリー)

フェリー連絡バス(名鉄バス)名鉄バスセンター⇔名鉄バス⇔名古屋港1,000円 35分
大洗フェリー19:00発         16:40着
名古屋港⇔太平洋フェリー⇔仙台港
10:30着         12:50発
2等・C寝台
8,200円

(B寝台は10,200円)
フェリー連絡バス(ミヤコーバス)仙台港⇔ミヤコーバス⇔仙台駅
*中野栄経由
550分 45分
合計9,750円~
*フェリー連絡バスは、フェリーのダイヤに合わせて運行されています。

最後にフェリーを見ていきます。この場合、名古屋港と仙台港を結ぶ太平洋フェリーを利用します。運賃は最も安い雑魚寝部屋で8,200円、フェリーターミナルと駅のバスも含めると最安値で9,750円です。最低でもプライベートを確保したいのであれば、B寝台が利用でき、その料金は合わせて11,750円(2000円の差額)です。このルートは船内で1泊する方になるので、宿泊費も含まれています。夜行バスと異なり、浴室が利用でき、横になって寝られます。運賃が夜行バスと大きな差がないのを考えると、こちらの方が快適で、コストパフォーマンスが高いでしょう。

メリットが大きいように見えるものの、フェリーのデメリットは発着の時間で、夜に発、次の日の朝に到着というダイヤではないことです。このフェリーは、苫小牧港まで航行し仙台港は寄港なのでそうなってしまうのですが、名古屋発の場合、夜発で次の日の夕方、仙台発の場合は、午前中発で次の日のお昼着と中途半端です。朝到着であれば、到着後すぐに観光などができますからね。

まとめ

以上をまとめると、一番良い選択肢は、交通費、移動時間とともに利のある飛行機です。運賃で考えればLCCでしょう。夜行バスは安いものの、LCCの安さが際立つため微妙な立ち位置です。ただし、車中泊して宿泊費を節約できる点を考えると、コストパフォーマンスは高いです。新幹線は、割引切符がないのが難点ですが、飛行機と比べると運賃、移動時間ともに大きく差があるわけではないので、選択肢から外れることはありません。特に本数の多さは鉄道の方が圧倒的なので、LCCと比べると、時間の融通は利きやすいでしょう。それを踏まえると、片道あたりの料金を安くできるツアーは、割引切符の代わりになります。フェリーは、船内で宿泊でき、夜行バス同様コストパフォーマンスは高いものの、船内で過ごす時間が長く、フェリーターミナルの発着時刻が難点です。

移動手段比較

通常運賃移動時間備考
新幹線19,030円3時間22分~複数割引切符を、組み合わせて安くすることは可能
ツアー14,700円~片道あたりの料金で計算
夜行バス9,600円~夜発朝着車中泊、車内で1泊
飛行機(ANA・IBEX)17,370円~約3時間
飛行機(Peach)9,330円~約3時間15分
太平洋フェリー9,750円~船内で1泊