ここでは、広島と松山の都市間移動について、移動手段を比較していきます。両都市間は瀬戸内海を挟んで広島は本州、松山は四国に立地しています。そのため、他の都市間の移動と異なるのは陸路だけで完結できない点です。ここではフェリー、鉄道・高速バスそれぞれを比較して見ていきます。なお両都市間には、直通の高速バスの運行はありません。高速バスで移動する場合、乗り継ぐ必要があります。
フェリー(瀬戸内海汽船)
区間 | 運賃 | 所要時間 | |
松山駅(大手町) →伊予鉄→高浜駅 →連絡バス→松山港 →瀬戸内海汽船→呉港・広島港 →市電→広島駅 | 伊予鉄:660円 バス:220円 フェリー:5,000円~ 市電:220円 合計:6,100円 | 伊予鉄:約35分 バス:5分 フェリー:2時間40分 市電:約35分 合計:3時間55分 | |
フェリーをスーパージェットにした場合 | フェリー:8,000円 合計:9,100円 | フェリー:1時間10分 合計:2時間25分 |
はじめにフェリーを見ていきましょう。松山港と広島港の区間で瀬戸内海汽船のフェリーが運行されています。このフェリーはクルーズフェリーとスーパージェット(高速船)の2つがあります。前者は6,100円で移動できる分、所要時間が約4時間かかります。後者は9,100円で移動時間は約2時間30分です。
運行本数は1日あたり9~10本で、数時間の間隔で運行されています。このフェリーは距離的に最短距離を結ぶ路線なので、両都市間を移動する場合は、フェリーが1番の選択肢に入ると思います。料金も比較的リーズナブルで、高速船を利用しても10,000円かかりません。一方で、フェリーのデメリットとしては、乗り換えが複数回あることです。広島の中心部へ行く場合は1回、松山の中心部に行く場合は2回、すべてを合わせて4回あるのが難点です。フェリーの時間も考えて予定を立てる必要がある上、乗り換えがうまく行かなければ、上記以上に移動時間がかかります。
このフェリーは、車、バイク、自転車も載せられるので、公共交通を利用しなければ乗り換えのメリットはありません。車両を載せる分の追加の料金がかかりますが、フェリーの料金だけで移動できます。
割引については障害者と団体(15人以上)のみ、特定条件で1割~2割の割引が受けられます。
鉄道(新幹線・特急)と高速バス
区間 | 運賃 | 所要時間 | |
松山駅→伊予鉄→松屋市駅 キララエクスプレス→新尾道 →山陽新幹線→広島駅 | 伊予鉄:230円 高速バス:4,300円 新幹線:3,280円 合計:7,810円 | 伊予鉄:15分 高速バス:~3時間05分 新幹線:40分 合計:約4時間 |
次に鉄道と高速バスでの移動について見ていきます。この場合、松山新尾道間の高速バス、新尾道広島間を新幹線で移動します。合計の運賃はすべてを合わせて7,810円、移動時間は約4時間です。運行本数は1日2便、午前中と夕方のみです。
この移動手段のメリットは乗り換えが1回のみで済むことで、フェリーの4回に比べれば少なく済みます。しかし、この乗り換えがデメリットにもなっています。それは、新尾道における接続が非常に悪い点です。
新尾道での接続(広島行き) | 新尾道での接続(松山行き) |
12:27着、13:28発(12:28発の便あり) | 10:18着(11:21着の便あり)、11:00発 |
18:47着、19:24発(18:24発の便あり) | 16:18着(17:21着の便あり)、17:15発 |
いずれも、乗り換えに40分~1時間かかる、待ち時間が多いという点が上げられます。特に広島方面の場合、12:27着で新幹線は13:28発ですから、約1時間の待ち時間です。この待ち時間が30分でも短くなれば、実質3時間30分程度で移動ができるのですけど、難しいですね。
もっとも、高速バスの場合、速くに到着するケースもあるので、例えば広島行きの場合、12:15分ごろに新尾道に到着して、12:28のこだま号に乗車できる可能性があります。一方で、遅れるケースもありますが、例えば19:00頃に新尾道に到着すれば、待ち時間は25分程度まで短縮します。この待ち時間は、遅れる時間を想定して多く取っているという見方もできます。また、お昼や夕方の時間帯の場合、待ち時間を新尾道で昼食、夕食に充てるので問題ない、という見方もあります。
割引については以下が利用できます。新幹線のバリ得切符、Exサービスなどの割引切符は利用できません。
高速バス:往復割引 | 7,800円 (片道3,400円) |
高速バス:学割 | 3,900円(片道) |
高速バスの割引を利用することで、400円~900円安くなり、合計で6,910円~7,410円で移動できます。
移動手段には、これ以外にも高速バスを福山まで利用し、そこから新幹線で移動するルート、また福山からさらに高速バスで広島まで移動するルートもあります。ただし、前者は運賃も移動時間も増えるため、後者は、運賃が上記に比べて600円安くなる程度で、移動時間が大幅に増えるためお勧めできません。他にも岡山経由で特急しおかぜ、新幹線を乗り継ぐルートもありますが、大回りなうえ、尾道経由と移動時間はほとんど変わらないので、ここでは扱いません。
ツアー(JR鉄道)
往復の利用や、1泊以上の宿泊を考えているのであれば、個人ツアーを申し込むのも選択肢の1つです。ツアーであれば、往復の運賃とホテルの1泊がセットになって、一括で申し込めます。この場合、新幹線の岡山経由でのツアーパックが中心です。
広島⇔山陽新幹線 ・特急⇔松山(岡山経由) | 17,100円~ | ツアーを利用しない場合 高速バス・新幹線:15,620円+ ホテル:5000円~ 合計:20,620円~ |
ツアーは安いもので17,000台からあり、宿泊は広島および松山です。比較対象は高速バス+新幹線、ホテルは比較的安いビジネスホテルで5,000円とします。移動時間に関しては、新尾道経由とほとんど変わらないのですが、ツアーによっては料金が安くなり、最安値の場合の差額は3,520円になり、ツアーの方が安くなります。
まとめ
以上をまとめると、フェリーと、高速バスと新尾道経由の新幹線で移動する2つのルートがあり、一番安い運賃はクルーズフェリー、次が新尾道経由です。最短での移動は高速船です。以下に早見表を掲載しておきます。
移動手段 | 運賃 | 移動時間 | 備考 |
クルーズフェリー | 6,100円 | 3時間55分 | 乗り換え複数回あり。 |
高速バス+新幹線 | 6,810円 ~7,810円 | 約4時間 | 乗り換え1回、待ち時間あり。 |
ツアー | 6,050円~ | 約4時間 | 通常運賃は、ホテル代を‐5,000円差し引き片道運賃で計算 |
高速船 (スーパージェット) | 9,100円 | 2時間25分 | 乗り換え複数回あり。 |