宿泊施設をネットで予約する際に参考にするのは、予約サイトなどに書かれているクチコミ(レビュー)です。クチコミは宿泊する人たちにとっては参考になるはずです。ですが、これは書き手の書き方でいくらでも良い方向に、または悪い方向に書き込めてしまいます。そのため、嘘を書き込むこともできてしまいます。では、そのレビューはどの程度信用できるのか?信用できないのか?クチコミの見方について考えていこうと思います。
クチコミは一定の信頼性がある
まず、多くの予約サイトのクチコミ、例えばBooking.comや楽天トラベルなどは、宿泊者以外は書き込めません。第三者が書き込めてしまうサイトもありますがそれは少数で、しっかりしたサイトはそのような仕様になっています。そのため、宿泊すらしていない第三者が書き込むようなことがありません。また、このクチコミは無理に書かなければいけないものでもなく、書きたい人が書き込める仕様です。そのため、わざわざクチコミを書き込む人というのは、宿泊して良い経験ができた人が善意で、もしくは何か不満や問題点があって書き込んでいる人がほとんどでしょう。特に詳細を細かに書いている場合、事実をもとに書かければかけないのですから、嘘を細かに書くというのは難しく、普通に考えてあり得ないでしょう。
基本的に宿泊施設の管理者もクチコミを見ている
書き込まれた情報は、当然ですが管理者側も閲覧できます。グーグルマップではそれに対して返信もできます。まったくの嘘を書き込まれていれば、当然管理者側もそれに対して反応しますし、場合によってはサイト側に削除依頼もできます。また、そのクチコミが施設側に何か損害をもたらすのであれば、最悪訴訟に発展する可能性もあります。書き込む側にもリスクもあるわけですね。
多くの人たちがクチコミをもとにホテルを予約している事実
【お店選びで参考にする情報、第1位はマップサービス】「位置情報」や「検索順位」よりも「口コミの数や信憑性/最新情報」が重要視されている傾向より引用
多くの人たちは、予約サイトやクチコミサイトに書かれたクチコミを元にホテルを予約します。これは、たとえ誇張されたものであっても、嘘があっても、サクラであっても、現実の問題としてそうです。
それはどういうことかと言えば、クチコミが全く無視できるものではないということです。このクチコミの内容によっては、成約率が大きく変わるという事実もあり、施設側もクチコミには目を光らせています。
これらを踏まえると、ある程度宿泊した経験をもとに書いているのですから、それが信頼できないことはないでしょうし、リスクを考えれば、まったくのデタラメを書くことなどできないでしょう。また、多くの人たちがクチコミを参考にしている以上、それは無視できるものではなく、一定の信頼性があると考えられます。
完全に信頼できるものではない
しかし、矛盾したことを言いますが、100%信頼できるものでもありません。上記のようなリスクはあるとはいえ、偏った内容のクチコミも多いからです。
偏った内容というのは、嘘ではなくとも部分的に嘘が混ざっていたり、問題をやたら誇張していたり、感情的になっているようなクチコミです。とりわけ内容によっては、嘘を言ってもそれが嘘とばれることがないようなものです。例えば、受付の対応が悪いというクチコミがあった場合、特に対応に問題なくても、受付自体が気に食わないから、対応が悪い、失礼などと書き込んだりするようなケース、部屋は普通にきれいで問題ないのに、ほんの一部部分の些細な部分に汚れがあるから、部屋全体を汚いなどと書き込んだりするケースです。具体的な内容を書かずに抽象的に書くことが多いですね。
宿泊者以外が書き込めるサイトもある、サクラがいる事実
宿泊設のクチコミにおけるサクラとは、意図的に良い、もしくは悪いレビューを書き込み、そのホテルを印象操作する人たちのことを言います。例えば星5つの良いレビューを書き込み、全体の評価を上げようとするもの、星1つの悪いレビューを書き込み、全体の評価を下げようとするものですね。
1人だけでなく、複数で行われることもあります。
クチコミサイトには、グーグルマップのように第三者が書き込めてしまうサイトも存在します。そういったサイトでは、普通に雇われたサクラが書き込むこともできてしまい、嘘を書き込むこともできてしまいます。
なお、実際の利用者側にもサクラが存在する可能性があります。稀なケースですが、例えば、受付に「5つのレビューをお願いします」という張り紙が普通に貼ってあったり、「高評価のレビューで~が無料になります」と言ったものも存在します。これを見て宿泊客が何の疑いもなく高評価のレビューをしてしまうわけです。これがサクラかどうかは微妙ですし、ホテル側が悪意がなく行っているケースもあるでしょう。しかし、意図的に高評価を促し、結果的に低評価レビューを埋もれさせるようなことがあります。
これらを踏まえると、クチコミが全く信頼できるものであるとは限らない、ということも言えます。
クチコミの正しい見方
クチコミには信頼できる部分、信頼できない部分の両方があります。それを踏まえると、きちんと情報を精査して判断する必要があります。クチコミの正しい見方には以下の方法があります。
・複数のクチコミサイトを確認する
最低でも2つ、多くて3つのサイトを確認するのが良いかと思います。なぜなら、クチコミサイトによって評価が大きく違う場合もあるからです。3つとも高い評価であればよいですし、低ければ
悪いホテルです。しかし、あるサイトの総合評価は高評価の5なのに、別サイトでは低評価の2が多い場合、前者でサクラが書き込んでいる可能性があります。また、レビューそのものが少なくて、単に1つのレビューが5なので、総合評価が5になっている可能性もあります。
・宿泊利用者のみが書き込めるサイトを参考にする
できれば、利用者のみが書き込めるクチコミサイトに限定することで、サクラを除外、フィルターを設けられます。グーグルマップはとても便利で、多くの人たちが利用していますが、第三者が書き込めてしまうことを考えると、彼らの書き込みは鵜呑みにできるものではないでしょう。
・直近の新しい複数のレビューを確認する
1つでは判断材料にならないので、複数のレビューを確認します。その際、できるだけ日付の新しいものを見る必要があります。なぜなら過去のレビューの場合、今では状況が変わっていて参考にならない場合もあるからです。過去レビューでは受付の対応が失礼と言っても、今では対応が改善されている場合があります。過去のレビューは参考程度にとどめておくのが良いでしょう。
・抽象的な内容のレビューはあてにならない、具体的な事実が書き込まれたレビューを見る
これは特に悪いクチコミを見る場合に当てはまります。悪いといっても何が悪いのか?具体的に書き込まれているもの、また1つではなく複数を見る必要があります。例えば、最近のレビューで、金銭トラベルの内容が具体的に書き込まれているレビューが複数ある場合、この宿泊施設はそういったトラブルが多いということがわかります。
・内容が極端に偏っているレビューは鵜吞みにしない
ここはすべてにおいて悪い、良いところなどないと言わんばかりの悪い点ばかり上げているレビューは参考にするも鵜呑みにしない方が良いでしょう。感情的に書き込んだ可能性があります。
・サクラレビューに注意する。低評価が多い中で、高評価のレビューが1つある
良いサクラのレビューにはある程度の法則があります。多いのは高評価4~5をつけて、かつ内容が抽象的なものです。全てにおいてそれがサクラとは言えませんが、具体的な内容の低評価が多い中で、2つ、3つ高評価レビューで、「ここはとても良いホテルでした。」「サービスの質が良く満足でした」といった少ないコメントがある場合、これらはサクラの可能性があります。なお、サクラでなくとも、具体的な内容の低評価がやたら多い場合は、その施設には問題がある場合が多いでしょう。
・レビューが少ないものは評価が難しい
宿泊施設に対してレビューが1つ、2つしかない場合は、そこが良いのか?悪いのか?判断がとても難しいです。単純に判断材料が少ないため、実際に宿泊したら最悪だった、もしくは良かったという場合もあるからです。
・評価が良すぎる場合も注意
例えば書き込まれているすべて評価が5のようなケースです。いくら良い宿泊施設であっても、利用者によって評価が分かれるのが普通であり、ある人は5をつけても、ある人は3、別の人は2、またとある人は宿泊に満足できず1をつける人もいます。それを考えると普通の宿泊施設の場合、総合評価では、5段階評価の中で3.5~4.5に収まるのが普通です。しかし、レビューが多い中で全てが5というのは不自然で、意図的に低評価が削除されている可能性もあります。管理者側が削除依頼をして、それがすべて受理されるケースもあるようです。そういう場合、問題点が表に出てこない、問題を隠す体質ということになるので、「実際に宿泊したらこんなはずではなかった」ということが起こりえます。
最後はすべてを見たうえで総合的に判断する
以上をまとめると、クチコミは信頼できる部分もあればできない部分もあります。そのため、複数のサイトで複数のレビューを見て、総合評価を見て、また宿泊施設の写真、立地な、値段などを見たうえで、最終的には、総合的に判断する必要があります。悪いレビューが多くとも、単に汚い、設備が古いといったものが多く値段が安いのあれば、単に古くて安い施設という判断ができます。一方で、奇麗な宿泊施設で良いレビューがあったとしても、トラブルが多くそれが具体的に書かれているレビューが複数あれば、トラベルが起きやすい場所という判断ができます。