松山は愛媛県の県庁所在地であり、高松は香川県の県庁所在地であり、いずれも四国に位置しています。両都市間は約190km離れており、移動手段には鉄道(特急)と高速バスの2つがあります。ここでは、それぞれを比較してどちらの移動手段が良いかを見ていきます。
鉄道(特急いしづち)
松山駅⇔特急いしづち⇔高松駅 | 指定席:7,090円 自由席:6,160円 | 2時間32分 |
はじめに鉄道を見ていきます。鉄道では両都市間を特急「いしづち」が高頻度で運行しています。運賃は最安値で6,160円で、移動時間は約2時間30分です。この列車の多くは、途中の多度津駅から岡山方面の特急「しおかぜ」と連結して運行されます。松山発着の「しおかぜ」を途中まで利用し、途中から在来線、快速マリンライナーに乗り換えるといったルートもありますが、現実的ではないのでお勧めできません。運行本数は1日あたり16本あり、日中は1時間に1本程度運行されています。なお、JR四国ツアーなどが割引切符を販売しており、以下の割引切符が利用できます。
スマえき トク割きっぷ | 自由席:3,900円 | スマホアプリ専用 |
e5489 指定席往復切符 | 指定席:8,400円 (片道あたり4,200円) | 4日間有効、当日購入可能 |
トク割2枚指定席回数券 | 指定席:8,500円 (片道あたり4,250円) | 2枚つづり、実質往復 |
トク割4枚指定席回数券 | 指定席:16,600円 (片道あたり4,150円) | 4枚つづり |
学生トク割2枚回数券 | 自由席:7,300円 (片道あたり3,650円) | 2枚つづり |
自由席特急回数券 | 自由席:33,260円 (1回片道あたり5,540円) | 6枚つづり、6回分の運賃を1割引き |
金券ショップ | 特急指定席:4,200円 | |
学生割引 | 指定席:6,290円 自由席:5,360円 | 乗車券を2割引き |
この中で最も安いのは学生トク割2枚回数券の3,650円(片道あたり)です。次がスマえきトク割きっぷの3,900円です。割引切符は割引率が高いものが多く、4割も安くなる切符が購入できます。これは、高速バスに対抗したものと思われます。交通費を抑えたいのであれば、これらを利用しない手はないでしょう。
ツアー(鉄道)
次にツアーを見ていきます。ここでは鉄道の個人ツアー(1人)、高松から松山への旅行を例に取り上げます。
松山駅⇔特急いしづち⇔高松駅 | すべて込み 11,100円~ | 別々に予約した場合 特急:6,160円x2 ホテル:5,000円~ 合計:17,320円~ |
このツアーの場合は、最安値11,100円です。これらを別々に予約すると17,300円、差額にすると6,200円安くなります。これは1人で1泊の料金なので、人数を増やすか宿泊数が増えれば、その分の料金は増えます。また、夏季や行楽シーズンはこれよりも高くなります。さらに、ホテルの料金は5,000円としていますが、高級ホテルに宿泊すれば料金は増えます。これを片道当たりの料金に計算(ホテル代5,000円を引いて運賃を2で割る)すると3,050円になります。料金もさることながら、ホテルと交通費を一括で予約できるので、別々に予約する手間を減らせます。通常の運賃と比べると割引率がとても高いので、選択肢の1つになるでしょう。
高速バス(坊ちゃんエクスプレス)
松山駅・松山市駅⇔ 高速バス⇔高松駅高速BT | 4,400円 (4,310円) | 約2時間55分 |
次に高速バスを比較します。JR四国、四国高速バス、伊予鉄などが運行している坊ちゃんエクスプレスを利用します。運賃は普通運賃が4,400円ですが、ネットの予約を利用することで4,310円まで安くできます。これは下記の割引切符を利用することでさらに安くできます。
往復切符 | 8,230円~8,400円 (片道4,115円~4,200円) |
学割 | 3,670円~3,740円 |
回数券4枚 | 15,600円 (片道あたり3,900円) |
最安値は学割切符をネットで購入した場合の3,670円、次が回数券の3,900円(1回あたり)です。移動時間は約2時間55分です。四国の高速道路は交通量が少なく、行楽シーズン以外は渋滞がほとんどないのですが、バス停の停車時間や一般道の混雑によってはこれよりも長くなることがあります。運行本数は1日12本、日中は1時間に1本程度の運行本数です。
鉄道の通常運賃に比べると安いのが特徴ですが、高速バスは松山市内、高松市内の各所に停車するため、乗り換えがなく便利というメリットがあります。また鉄道同様に途中のバス停にも停車します。鉄道の場合、駅まで行く必要があり、その分の運賃と時間がかかりますが、高速バスの場合、それがなくなります。例えば、高松のゆめタウンが起終点の場合、鉄道の場合、高松駅からバスなどでゆめタウンに行く必要がありますが、高速バスの場合、ゆめタウンで乗降できるので、その分の乗り換えの手前と時間を減らせます。また、高速バスは松山市駅にも停車するため、目的地が市駅周辺の場合は、こちらの方が便利でしょう。
まとめ
以上をまとめると、運賃の面では高速バスが安いものの、鉄道の割引切符を利用すると、同じくらいか、もしくは高速バスよりも安く移動できます。移動時間は鉄道の方が速いです。しかし、駅周辺を起終点としないのであれば、駅以外のバス停に停車する高速バスの方が、乗り換え手前や駅までの移動時間を減らせ、便利になることもあるでしょう。往復かつ宿泊を考えているなら、ツアーは割切符よりも大幅に安く、最安値の移動手段になるので、選択肢になるでしょう。
移動手段比較表
通常運賃 | 最安値運賃 | 移動時間 | 備考 | |
特急いしづち | 6,160円 | 3,650円 | 2時間32分 | 最安値は学トク2割切符 |
ツアー | 3,050円 | 〃 | 片道当たりの料金に計算 | |
高速バス | 4,400円 | 3,670円 | 約2時間55分 | 最安値は学割切符をネットで購入 |