ここでは、愛知県の県庁所在地である名古屋市と、福島県の主要都市である福島市と郡山市の、都市間移動についてみていきます。名古屋福島間は約640km離れており、移動手段は新幹線、高速バスの2つが上げられます。かつては名古屋飛行場発着の飛行機も運行されていましたが、現在は運行されていません。ただし、仙台から比較的近いので、仙台空港発着の飛行機を利用することができます。ここでは、2つの移動手段について、それぞれ比較していきます。
東海道新幹線・東北新幹線
![]() ![]() | 名古屋⇔東海道新幹線⇔東京 ⇔東北新幹線⇔福島 | 29,450円(グランクラス) 26,300円(グリーン) 18,980円(指定席) 17,710円(自由席) | 3時間25分 |
![]() ![]() | 名古屋⇔東海道新幹線⇔東京 ⇔東北新幹線⇔郡山 | 29,120円(グランクラス) 25,970円(グリーン) 18,650円(指定席) 17,380円(自由席) | 3時間11分~ |
はじめに、鉄道の移動について比較します。この場合、新幹線で移動しますが、名古屋東京駅間を東海道新幹線、東京以北は東北新幹線を利用します。運賃は最安値で17,380円~17,710円です。上記のグランクラスについては、東海道新幹線には設定されていないので、東京名古屋間はグリーン席を利用した料金を表示します。移動時間は、最速達の列車で、名古屋福島は3時間25分、名古屋郡山は3時間11分です。福島県内の駅には「はやぶさ」は停車しないので、この場合は「やまびこ」を使うことになります。東京郡山間は、「なすの」も利用できますが、各駅停車の列車なので、「やまびこ」よりも時間がかかります。「つばさ」については、郡山駅、福島駅に停車するので利用できますが、指定席以上の座席になります。東海道新幹線を「ひかり」で移動する場合は、停車駅が増えるため、これよりもさらに時間がかかります。運行本数は、いずれも1時間に1本以上は運行されているので、本数については問題ありません。
割引切符についてですが、学生割引(2割引)を除くと、この区間の割引切符はありません。JR東海、JR東日本の2社をまたぐ割引切符が存在しないのが理由です。強引なやり方を使えば、東京名古屋間は早特やぷらっとこだま、東北新幹線はトクだ値を利用することで安くできます。例えば、東京名古屋間を早特ワイド28で通常運賃より860円安く、東京郡山間は、トクだ値14を利用して2,360円程度安くできます。
ただし、上記のような割引切符を複数利用する方法は、後述する理由からお勧めできません。なぜなら、乗車する列車が指定されることが多い割引切符の場合、乗り換えで、次の指定された列車に乗り遅れた場合、その切符が無効になることがあるからです。例えば、東海道新幹線が東京駅に遅れて到着、その次の東北新幹線に乗車できない場合、東京以北については、新たに切符を買いなおす必要がでてきます。この場合、大きな損失でしょう。指定の列車に乗車できなければ、損をしてしまうことを考えると、東京駅をまたいで、別々の割引切符を利用するのはお勧めできません。
東京福島・郡山間のトクだ値については、こちらが参考になります。また、下記は学生割引の料金になります。
名古屋郡山 | 名古屋福島 | ||
学生割引 | グランクラス27,220円 グリーン 24,070円 指定席 16,750円 自由席 15,480円 | グランクラス27,490円 グリーン 24,340円 指定席 17,020円 自由席 15,570円 | 学生証掲示で2割引 |
ツアー(鉄道)
次にツアーを見ていきます。ここでは鉄道の個人ツアー(1人)、福島市から名古屋への往復の旅行ツアー、福島駅発のものを例に取り上げます。
![]() ![]() | 福島駅⇔東北新幹線⇔ 東京駅⇔東海道新幹線⇔名古屋駅 | すべて込み 33,000円~ | 別々に予約した場合 新幹線:17,710円x2 ホテル:5,000円~ 合計:40,420円~ |
ツアーの最安値は、33,000円です。これらを別々に予約すると40,420円かかりますが、差額にすると7,420円も安くなります。これは1人で1泊の料金なので、人数を増やすか宿泊数が増えれば、その分の料金は増えます。また、夏季や行楽シーズンはこれよりも高くなります。さらに、ホテルの料金は5,000円としていますが、高級ホテルに宿泊すれば料金は増えます。これを片道当たりの料金に計算(ホテル代5,000円を引いて運賃を2で割る)すると、14,000円です。この区間は割引切符がないので、ツアーを利用する方法が、鉄道の運賃を安くする唯一の方法です。学割の運賃よりも、さらに安くなるのが魅力的です。料金もさることながら、ホテルと交通費を一括で予約できるので、別々に予約する手間を減らせます。
高速バス(夜行バス)
![]() | 名鉄バスセンター・豊田・岡崎 ⇔名鉄バス⇔西郷BS ・須賀川営業所・郡山駅 | 8,000円~ | 夜22時発、朝7時着 |
次に夜行バスを見ていきます。夜行バスは、名鉄バスが1日1便運行しています。このバスは、名鉄バスセンターを発着し、東名豊田・東名岩津・東名本宿に停車、福島側は、白河の西郷バスストップ、須賀川営業所と郡山駅に停車します。途中宇都宮、鹿沼、佐野にも立ち寄ります。運賃は最安値で8,000円からです。車中泊する形になるので、上記料金は宿泊費も含めた料金になります。
このバスは、福島県北部の福島方面、会津方面へは行きません。福島、会津方面へのバスは運行されていないので、在来線か新幹線で乗り換えて移動する形になります。福島郡山間は、在来線で約50分、運賃は860円になります。新幹線の場合、1,740円かかるものの、約20分程度で移動できます。
飛行機(仙台空港のANA・IBEX・Peachを利用する)
![]() | 名鉄名古屋駅⇔空港特急⇔ セントレア⇔ANA・IBEX ⇔仙台空港 | ミュースカイ:980円 飛行機:15,730円~ 合計:16,710円~ | ミュースカイ:約35分 飛行機:1時間~ 合計:約2時間35分~ |
![]() | 名鉄名古屋駅⇔空港特急⇔ セントレア⇔LCC(Peach) ⇔仙台空港 | ミュースカイ:980円 飛行機:7,960円~ 合計:8,940円~ | ミュースカイ:約35分 飛行機:1時間15分 合計:約2時間50分 |
仙台空港福島・郡山間(陸路の移動ルート)
![]() | 仙台空港駅⇔仙台駅 ⇔東北新幹線⇔福島 | 3,810円 | 1時間2分 |
![]() | 仙台空港駅⇔仙台駅 ⇔東北新幹線⇔福島 | 5,370円 | 1時間21分 |
次に飛行機を見ていきます。福島空港には名古屋発着の飛行機は就航していませんが、仙台空港発着の飛行機を利用する方法があります。仙台空港の飛行機にはANA、IBEXと格安航空のピーチが就航しています。詳細はこちらで解説しています。このルートの場合、運賃は福島が12,750円~20,520円、郡山が14,310円~25,650円です。移動時間は福島が3時間37分~3時間52分、郡山が3時間46分~4時間1分です。運賃については、LCCの方が安く、移動時間はLCCの方が15分長くなります。ただし、交通費については、航空券の価格が変動するのでこの限りではありません。
MCCやFCCキャリアの場合は、新幹線よりも高くなる上に、移動時間も長いので論外ですが、LCCを利用する場合は、運賃が安くなるので考慮に入るでしょう。なお、仙台空港と福島、郡山間を新幹線でなく在来線や高速バスで移動するのであれば、移動時間は長くなるものの、運賃は大幅に安くなるので、さらに考慮の余地はあります。仙台と福島・郡山の移動については、こちらで詳しく解説しています。
まとめ
以上をまとめると、名古屋福島・郡山間いずれも、新幹線の移動がメインになりますが、仙台空港発着の飛行機(LCC)も候補に入るでしょう。移動時間は新幹線に比べて長くなるものの、運賃の安いLCCと、陸路は在来線、高速バスを利用することで、移動費用を抑えられます。LCCではない、IBEXやANAについては航空券自体の価格が高いので、節約にはならず、選択肢としては微妙です。夜行バスは、福島の場合、福島郡山間の移動が必要になるものの、それを加味しても、移動手段の中では、最安値になります。
移動手段比較(名古屋福島間)
通常運賃 | 移動時間 | 備考 | |
新幹線 | 17,710円 | 3時間25分 | 複数割引切符を、組み合わせて安くすることは可能 |
ツアー(鉄道) | 14,000円 | 〃 | 料金は、片道あたりを表示 |
飛行機(FCC,MCC) | 20,520円~ | 約3時間37分 | 仙台空港発着のIBEX、ANAを利用 |
飛行機(LCC) | 12,750円~ | 約3時間52分 | 仙台空港発着の ピーチを利用 |
名古屋郡山間は、
移動手段比較(名古屋郡山間)
通常運賃 | 移動時間 | 備考 | |
新幹線 | 17,380円 | 3時間11分~ | 複数割引切符を、組み合わせて安くすることは可能 |
夜行バス | 8,000円~ | 夜発朝着 | |
飛行機(FCC,MCC) | 25,650円~ | 3時間46分 | 仙台空港発着のIBEX、ANAを利用 |
飛行機(LCC) | 14,310円~ | 約4時間1分 | 仙台空港発着の ピーチを利用 |