ここでは、愛知県の県庁所在地である名古屋市と、北海道の道南の中心都市である函館市の都市間移動についてみていきます。両都市間は約1200km離れており、長距離の移動です。移動手段は新幹線と飛行機のみ、フェリーや高速バスはありません。ここでは、これら2つの移動手段を比較していきます。
東海道・山陽新幹線・東北新幹線
![]() ![]() | 名古屋⇔東海道新幹線⇔東京 ⇔東北・北海道新幹線⇔新函館北斗 ⇔函館ライナー⇔函館 | 52,450円(グランクラス) 40,610円(グリーン) 31,140円(指定席) 30,600円(自由席) | 7時間48分 |
はじめに、日中の鉄道での移動について比較します。この場合、新幹線で移動しますが、名古屋東京駅間を東海道新幹線、東京新函館北斗間は東北・北海道新幹線、そして新函館北斗函館間は、在来線の函館ライナーを利用します。運賃は最安値で30,600円です。これは自由席を利用した場合ですが、東北・北海道新幹線は速達列車の「はやぶさ」は指定席の料金です。「はやぶさ」には、自由席が設定されていません。なお、グランクラスについては、東海道新幹線には設定されていないので、東京名古屋間はグリーン席を利用した料金を表示します。移動時間は、最速達の列車で7時間48分です。移動時間は長時間の移動になるので、正直大変です。移動距離が長いため、新幹線でも、これだけ時間がかかってしまうのは仕方がないでしょう。なお、東海道新幹線区間を「こだま」「ひかり」で乗車した場合は、さらに移動時間が長くなります。運行本数は、いずれも1時間に1本以上は運行されているので、本数については問題ありません。
割引切符についてですが、学生割引(2割引)を除くと、この区間の割引切符はありません。JR東海、JR東日本の2社をまたぐ割引切符が存在しないのが理由です。強引なやり方を使えば、東京名古屋間は早特やぷらっとこだま、東北・北海道新幹線はトクだ値を利用することで安くできます。例えば、東京新函館北斗間のトクだ値14を利用すれば、東京以北を6,000円程度は安くできます。ただし、乗換駅で新規の切符を購入すると、通して購入する場合に比べて、割高になってしまうケースがあります。また、乗車する列車が指定されることが多い割引切符では、乗り換えで、次の指定された列車に乗り遅れた場合、その切符が無効になることがあります。例えば、東海道新幹線が東京駅に遅れて到着、その次の列車に乗車できない場合、東京以北については、新たに切符を買いなおす必要がでてきます。それを踏まえると、東京駅をまたいで、別々の割引切符を利用するのはお勧めできません。
東京新函館北斗間のトクだ値については、こちらが参考になります。なお下記は、学生割引を利用した場合の料金になります。
学生割引 | グランクラス49,350円 グリーン 35,550円 指定席 28,080円 自由席 27,540円 | 学生証掲示で2割引 |
飛行機(ANA・AIRDO)
![]() | 名鉄名古屋駅⇔空港特急⇔ セントレア⇔飛行機⇔函館空港 ⇔空港連絡バス⇔函館駅 | ミュースカイ:980円 飛行機:18,830円~ 函館バス:500円 合計:20,310円~ | ミュースカイ:約35分 飛行機:1時間30分 函館バス:約25分 合計:約3時間30分 |
次に飛行機を見ていきます。飛行機はANAとAIRDOの2社が両都市間を運行しています。ただし、共同運航なので、運行本数は1日1便のみです。運賃は最安値のもので18,830円、バス、空港アクセス鉄道も含めた合計は20,310円です。移動時間は、待ち時間+1時間を含めて3時間30分です。新幹線と比較して、圧倒的にこちらが速いので、格安航空券の安さも考慮すると、こちらがメインの移動手段になるでしょう。
空港までのルートのうち、名鉄ミュースカイは、指定席の料金を含みません。特別車の指定席を指定する場合は、+450円の料金がかかります。
函館側は、中心部と空港は空港バスを利用します。函館空港は函館の東側に位置しており、それほど距離は離れていません。一方で、新函館北斗駅は函館市ではなく北斗市にあり、函館都市圏の北側に位置しているため、かなり離れています。これを踏まえると、空港の方が市街地へのアクセスは便利ではあります。ただし、移動時間については新幹線駅と函館駅間のほうが短く、函館ライナーの快速で15分です。
ツアーを利用して移動する
飛行機を利用する場合、1泊以上ホテルで宿泊するのであれば、ツアーパックを申し込む方法もあります。これは、1人以上から利用できるツアーを利用します。料金は往復の交通費+宿泊費を含んだ料金で、通常の航空券の価格よりも安い値段で提供されています。ツアーのメリットは、通常価格より割引されるのと、ホテルと合わせて予約できる点です。また、別のサイトでホテルを予約する必要がなく、一括で予約ができるため、時間が節約できます。
まとめ
以上をまとめると、一番コストパフォーマンスが高いのは、交通費、移動時間とともに飛行機です。安い格安航空券が購入できれば片道2万円程度で、移動時間も3時間30分程度ですみます。一方で鉄道は、移動時間がかかりすぎるうえに、運賃も高く、割引切符もないため、選択肢には入りません。新幹線と市街地のアクセスが函館ライナーの方が便利なのですが、すべてを合わせると、飛行機が便利で、唯一の選択肢になります。ただし、飛行機は1日1便しか運行されていないため、時間の融通が利かない点があります。スケジュール上、その1便の飛行機に乗れない場合は、新幹線が唯一の選択肢になります。
移動手段比較
通常運賃 | 移動時間 | 備考 | |
新幹線 | 30,600円 | 7時間48分 | 複数割引切符を、組み合わせて安くすることは可能 |
飛行機 | 20,310円~ | 約3時間30分 |