このページでは名古屋市と北九州市の都市間の移動について、交通手段を比較していきます。両都市間は約740km離れており、移動手段としてはJR東海道・山陽新幹線・飛行機(LCCおよび格安航空券)・夜行バスの3つがあります。かつては、北九州空港と小牧空港を結ぶ航空便も存在しましたが、現在は就航されて言いません。ここでは、名古屋駅と小倉駅を発着として、上記3つについて比較していきます。大まかに比較すると以下になります。
交通費:飛行機(LCC・格安航空)≦高速バス<新幹線
移動時間:飛行機≦新幹線<高速バス
JR東海道・山陽新幹線のぞみ号
![]() | 名古屋駅⇔JR東海道 ・山陽新幹線⇔博多駅 | グリーン車 24,150円 指定席 18,080円 自由席 16,600円 | 3時間2分 |
はじめに新幹線を比較します。東海道・山陽新幹線を乗り換えなしで移動できます。最安値の運賃は、自由席の16,600円です。名古屋と小倉の区間は、複数の割引切符が用意されており、下記切符が購入できます。
e特急券 | グリーン車 23,600円 指定席 17,530円 自由席 15,810円 | 会員制 当日予約可能 |
Ex予約サービス | グリーン車 23,600円 指定席 17,530円 自由席 15,810円 | 有料会員 当日予約可能 (早特は3日前) |
Ex早特3 | グリーン車 19,860円 | 3日前までに購入 |
Ex早特7 | 指定席 15,540円 | 7日前までに購入 |
Ex早特21 | 指定席 14,640円 | 21日前までに購入 |
スマートEx予約サービス | グリーン車 23,950円 指定席 17,880円 | 無料会員 当日予約可能 |
金券ショップ | 自由席 15,800円 | |
学生割引 | グリーン車 22,010円 指定席 15,940円 自由席 14,460円 | 学割証明必要 |
料金の幅は、14,460円~23,950円。最安値は、学割の14,460円、次がEx早特21の14,640円です。Exサービスでも自由席、指定席、グリーン席の運賃を安くできます。
移動時間はのぞみ号で約3時間です。新大阪以西を「みずほ」「さくら」に乗り換える方法もありますが、のぞみの運行本数が多いので、わざわざそんなことをする必要はありません。なお、「ひかり」は博多まで運行されないので、利用できません。「こだま」は時間がかかりすぎるので選択肢に入りませんが、新大阪小倉間のみ、バリ得こだまを使うのであれば、候補に入るでしょう。運行本数は1時間に4本程度あり充実しています。下りは博多行き、上り東京行きに乗車する必要があります。
LCC セントレア(中部国際空港)⇔福岡空港
![]() | 名古屋駅⇔名鉄ミュースカイ⇔ セントレア⇔LCC(ジェットスター) ⇔福岡空港⇔福岡市地下鉄⇔博多駅 →山陽新幹線→小倉駅 | 名鉄 890円 LCC 5,720円~ 地下鉄260円 新幹線2,160円 | 名鉄 30分 LCC約1時間30分 地下鉄 10分 新幹線 20分 |
合計 | 9,030円~ | 約3時間30分 |
*航空券価格は日によって変動があり。
次に飛行機を見ていきます。ここでは、福岡空港の飛行機(LCC)を利用したケースを比較します。この場合、ジェットスターを利用します。ジェットスターの最安値は5,720円であり、空港と駅間の交通費を含むと9,030円です。運賃は、新幹線と比べて半額程度にまで安くなるので、選択肢としては十分考慮に入るでしょう。このルートは、セントレアまでの鉄道に加え、福岡空港から博多駅までの地下鉄と、博多駅から小倉駅までの新幹線での移動を含みます。なお、福岡空港から小倉駅まで、かつては高速バスが運行されていましたが、現在は運行されていません。そのため複数回乗り換える必要があります。移動時間は待ち時間や乗り換えも含めて、約3時間30分です。乗り換えに手間取れば、これ以上かかることもありますが、待ち時間を減らせれば、3時間まで短縮できます。運行本数は1日3便しか運行していないので、新幹線に比べると時間の融通は利きません。
なお、博多小倉間の新幹線を、特急ソニックに変えても運賃はあまり安くならず、移動時間は長くなるので、メリットはありません。博多小倉間の運賃を節約するのであれば、在来線での移動が良いでしょう。詳しくは、こちらで解説しています。
格安航空券 セントレア(中部国際空港)⇔福岡空港
![]() | 名古屋駅⇔名鉄ミュースカイ⇔ セントレア⇔StarFryster・ANA ⇔福岡空港⇔福岡市地下鉄⇔博多駅 →山陽新幹線→小倉駅 | 名鉄 890円 LCC 12,550円~ 地下鉄260円 新幹線2,160円 | 名鉄 30分 LCC約1時間30分 地下鉄 10分 新幹線 20分 |
合計 | 15,860円~ | 約3時間30分 |
*航空券価格は日によって変動があり。
セントレア福岡間には、LCC以外にもスターフライヤー・ANA・IBEXが運行しています。こちらも比較していきます。通常料金の場合は約3万円ですが、格安航空券の場合、最安値で12,550円の航空券が利用できます。こちらの場合、鉄道の運賃も含めて、最安値は15,860円です。新幹線に比べて安いものの、日によっては航空券の価格が高くなるので、新幹線よりも高くなる日があるので注意が必要です。
移動時間は待ち時間も含めて、約3時間30分です。LCCと変わりません。一方で、運行本数は非常に多く、1日あたり20便以降が運行しており、LCCと比べて利用しやすいメリットはあります。
名古屋飛行場を利用する(フジドリームエアライン・JAL)
![]() | 名古屋駅⇔空港バス⇔名古屋飛行場 ⇔フジドリームエアライン・JAL⇔ 福岡空港⇔市営地下鉄⇔博多駅 →山陽新幹線→小倉駅 | バス 700円 LCC 11,210円~ 地下鉄260円 新幹線2,160円 | バス 35分 LCC約1時間30分 地下鉄 10分 新幹線 20分 |
合計 | 14,330円~ | 約3時間35分 |
*航空券価格は日によって変動があり。
次に小牧にある名古屋空港(名古屋飛行場)を利用する場合を見ていきます。飛行場と福岡の間にはフジドリームエアラインとJALが運行しているので、こちらも利用できます。こちらの場合、最安値価格は11,210円となり、セントレアの格安航空券よりも若干安い料金です。鉄道、バスも合わせると14,330円です。空港までのバスの運賃は名鉄と比べると安いので、トータルでもこちらの方が安くなります。ただし、航空券の価格は変動するため、日によってはこちらの方が高くなる日もありますし、新幹線よりも高くなる日もあるので注意が必要です。
移動時間は約3時間30分で、セントレア経由とほとんど変わりません。名古屋では、バスが空港と駅を直行で結び約35分で移動できます。ただし、バスは渋滞により遅れることを踏まえると、鉄道でアクセスできるセントレアよりも不利です。出発・目的地が小牧周辺の場合はこちらの方が便利ですが、鉄道に乗り換えて名古屋市内および、愛知県内の他の都市へ移動する場合は、セントレアの方が便利でしょう。
ツアーを利用して移動する。
新幹線および飛行機を利用する場合、1泊以上ホテルで宿泊するのであれば、個人のツアーパックを申し込む方法もあります。これは1人以上から利用できるツアーを利用します。料金は往復の交通費+宿泊費を含んだ料金で、通常価格よりも安い値段で提供されています。ツアーのメリットは、通常価格より割引されるのと、ホテルと合わせて予約できる点です。わざわざ、別のサイトでホテルを予約する必要がなく、一括で予約ができるため、時間が節約できます。具体例をあげてみていきます。
![]() | 名古屋駅⇔東海道・山陽新幹線 ⇔小倉駅(往復・ホテル1泊) | すべて込み 30,400円~ | 別々に予約した場合 新幹線:16,600×2 ホテル:5,000円~ 合計:38,200円~ |
ツアーは1人旅行のケースを想定しています。この場合、ツアーの価格との差額で、7,800円安くなる計算です。これを、片道当たりの運賃で計算すると、12,700円です。これは新幹線の移動としては最安値で、早特などの切符を利用するよりも安くなります。
高速バス(夜行バスどんたく号)
![]() | 名鉄バスセンター・栄 ⇔名鉄・西鉄バス⇔小倉駅 ⇔砂津・黒崎駅・直方PA | 10,400円~14,000円 | 20~22時頃出発 朝7時ごろ到着 |
![]() | 名古屋駅西口・金山駅⇔ Heartsエクスプレス ⇔小倉駅 | 9,900円~12,000円 | 8~10時ごろ夜出発 朝5時~7時ごろ到着 |
最後に高速バスを見ていきます。高速バスは夜行便のみ運行されており、2路線が運行されています。1つは、西鉄と名鉄が共同運行のバス、もう1つはHeartsエクスプレスです。いずれも、名古屋と福岡を結ぶ夜行バスで、北九州市内はその途中に停車します。なお、福岡北九州間は利用できません。料金は9,900円~14,000円ですが、値段変動制をとっています。全体的に値段が高めなのは、移動距離が長いことと、3列独立シートなのが理由です。値段が高いとはいえ、車中泊する形になるので、実質的には宿泊費を含んでいます。それを踏まえると、コストパフォーマンスは良いでしょう。
名鉄、西鉄のバスは、北九州市内の小倉、砂津、黒崎、また直方市にも停車するので、細かな需要に対応しています。一方で、Heartsエクスプレスは、小倉駅のみに停車します。このバスは、広島駅に停車するので、広島方面の需要にも対応しています。
まとめ
以上をまとめると、一番安いのは格安航空のLCCです。ただし、宿泊費込みを考えると、夜行バスが一番コストパフォーマンスが良くなるでしょう。LCC以外の飛行機の場合、航空券の価格変動により、新幹線よりも高くなることがあり、高い場合は、新幹線よりも高く、移動時間も長いということになります。ただし、LCCを除くと、運行本数は多いので、時間の融通が利きやすいメリットはあります。移動時間については、乗り換えのない新幹線が最速です。飛行機とは30分程度しか変わりませんが、飛行機の場合、乗り換えが多数あり、時間が長くなる可能性があります。それらを考えると、片道あたりの運賃が安くなるツアーを利用できれば、交通費を節約でき、移動時間も最短で移動できるので良い選択肢になるでしょう。
移動手段比較早見表
移動手段 | 通常料金 | 最安値料金 | 移動時間 | 備考 |
JR東海道・山陽新幹線 | 16,600円 | 14,640円 | 3時間2分 | 早特21を利用。 |
格安航空(LCC) | 9,030円~ | 3時間30分 | 乗り換え多数あり | |
格安航空券(セントレア経由) | 15,860円~ | 3時間30分 | 〃 | |
格安航空券(小牧空港経由) | 14,330円~ | 3時間35分 | 〃 | |
ツアー | 12,700円 | 3時間2分 | 片道あたりで計算 | |
夜行バス | 9,900円~ 14,000円 | 夜発朝到着 |