JR東日本のeチケットサービスは、JR東日本のえきねっとが提供するチケットレス切符のサービスです。切符売り場で切符を購入する必要がなく、事前に全国の主要な交通系ICカード(Suica, ICOKA, Kitaca, Pasmo, TOICA, SUGOCA)に紐づけておくことで、改札にカードをタッチするだけでJR東日本の新幹線(東北・山形・秋田・北海道・上越・北陸)を利用できます。ここでは、このサービスの特徴やメリットについて解説していきます。
紙の切符よりも200円安くなる
eチケットサービスの金銭的なメリットの1つは、通常の切符よりも200円安くなる点があります。
区間 | 通常運賃 | eチケット | |
東京→東北・北海道新幹線はやぶさ→新函館北斗 | 23,230円 | 23,030円 | |
大宮→上越新幹線→長岡 | 11,260円 | 11,060円 | |
長野→北陸新幹線はくたか→新高岡 | 7,040円 | 7,040円 |
eチケットは自由席、指定席、グリーン車、グランクラスのすべての席で利用できます。また、JR東北・北海道・山形・秋田・上越・北陸新幹線のすべての駅で利用できます。さらに、直前購入も可能で、とても融通の利く切符です。ただし、200円安くなるのは指定席以上のグレードの席です。自由席は安くなりません。次に今まで解説したものも含めて、このサービスの特徴を解説します。
eチケットの特徴
- すべての席で利用可能。
- JR東日本(北陸新幹線はJR西日本も含む)のすべての新幹線の駅で利用可能。
- 直前購入可能。乗車日当日の出発時刻4分前かつ23時24分まで。
- 変更は可能。変更可能期間は、乗車日当日の出発時刻4分前かつ23時24分まで。
- 全国交通系ICカードで利用可能。紙切符の購入の必要なし。
- 最大6人まで予約可能。それぞれのICカードに紐づけて購入。
- すべての座席で利用できる、ただし自由席は割引なし。
- 指定席、グリーン席、グランクラスは座席指定が可能。
- 特定都区市内制度は適用なし。新幹線の運賃のみ。
- JR東海道・山陽・九州新幹線はこのサービスを利用できない。えきねっとで通常の切符予約、購入は可能。
- 予約した便に乗り遅れた場合は、当日に限り、自由席での乗車で後発の列車に乗車できる。
このほか、各種の割引切符サービスを利用できるほか、JREPOINTを利用して新幹線を利用できます。これらは次の項目から解説していきます。
eチケットサービスで利用できる割引切符
下記がこのサービスで利用できる切符です。往復割と株主優待割については具体例を上げて説明します。
・えきねっとトクだ値(リンク先で解説) |
・eチケット往復割 |
・eチケット株主優待割 |
・eチケット(大体ジパング)(大体ミドル)大人の休日倶楽部の会員限定 |
・eチケット(JRE BANK優待割) |
eチケット往復割
これは、片道601km以上に適用される往復割引のeチケットです。条件は通常の往復割引と同じです。乗車券の部分のみが10%割引です。
区間 | 通常運賃 | eチケットの往復割引 | |
東京⇔秋田新幹線⇔大曲 | 34,300円 | 32,340円 |
株主優待割
株主優待券を利用することで適用される割引です。eチケットでも利用でき、切符の運賃が40%割引になります。グランクラスは対象外です。金券ショップで優待券を購入した場合は、優待券の優待割引券番号をえきねっとに登録することで利用できます。
区間 | 通常の運賃 (自由席) | eチケット優待割 (自由席) | |
東京→東北新幹線→白河 | 6,260円 | 3,750円 |
株主優待券についての詳細はこちらで解説しています。
JREPOINTをためてJR東日本の鉄道などを利用できる。JREポイントとは?
eチケットではJREPOINTと呼ばれるポイントを利用して、JR東日本の新幹線、特急、在来線を利用できます。
JREPOINTとは、JR東日本の各種サービス(鉄道、ツアー、駅レンタカー)を利用することでためることのできるポイントです。JRE POINT会員番号の連携手続きをすることで、1ポイント1円相当で利用できます。頻繁に新幹線を利用する人にはお得なサービスで、ポイントを利用することで安く、もしくは0円で新幹線を利用できます。
ポイントが付与される条件
このポイントは、えきねっとにおいて、指定席以上のグレードの座席を予約した場合にのみ付与されるポイントであり、自由席の利用、紙の切符、Qチケサービス、一部のえきねっとの割引サービスでは付与されません。また高い割引率のえきねっとトクだ値で新幹線を利用する場合も付与されません。一方、在来線特急の割引を利用して購入した切符については、ポイントは付与されますが、付与率に違いがあります。ポイントの付与率は以下のようになっています。
チケットレス乗車(新幹線) | 2% |
在来線チケットレス特急券・座席指定券 | 特急券部分にのみ5% |
Qチケ新幹線 | 乗車券部分にのみ2% |
Qチケ在来線特急券 | 乗車券部分にのみ5% |
特急トクだ値切符・特別企画の割引切符 | 0.5% |
eチケット紙切符での受け取り | 0.5% |
レンタカー・ツアー | 0.5% |
なお、VIEWカードと呼ばれるクレジットカードと連携することで、さらにポイント付与率が高くなります。
ためたポイントは次回の切符購入時に利用ができます。
ポイント付与の具体例1(新幹線)
区間 | 通常の運賃 (指定席) | 通常の運賃 (自由席) | eチケット運賃 (指定席) | 獲得ポイント | 付与率 | |
小山⇔東北新幹線⇔古川 (往復) | 20,260円 | 19,600円 | 19,860円 | 396ポイント | 2% |
往復で利用することで396ポイント獲得できます。次に鉄道を利用する時に、ポイントを利用すれば396円が割引されます。ここで注目したいのは、自由席ではポイントが付与されない点と、eチケットで指定席を予約した場合の料金です。指定席の料金は自由席に比べると高いのですが、eチケットの場合、片道200円、往復で400円安くなります。そのため、通常の自由席との差額が小さくなります。260円の差額ですが、この差額であれば、高くても、ポイントが付与される指定席の切符を購入した方が得ですよね。また、ポイントで396円分が獲得できると考えれば、実質19,464円、通常の自由席よりも安い料金で利用できるという考え方もできます。つまり、eチケットの指定席切符も、見方によっては自由席とほぼ変わらない料金で購入できるということです。
ポイント付与の具体例2(在来線特急)
区間 | 通常の運賃 | eチケットの運賃 (35%割引) | 獲得ポイント | ポイント付与率 | |
東京→常磐線特急ひたち →いわき(片道) | 乗車券:3,740円 特急券;2,550円 合計:6,290円 | 乗車券:3,740円 特急券:1,650円 合計:5,390円 | 82ポイント | 5% |
上記の場合、82ポイント獲得できます。また、チケットレスで特急券が35%割引になるため、運賃の合計も900円安くなります。特急ひたちについては、自由席がないのですべて指定席の予約になります。そのため、eチケットで切符を購入することで必ずポイントがもらえます。注意点としては、ポイント付与率は特急券の料金から計算されます。そのため、付与率が高くても、新幹線を利用した場合に比べて、実質的にはもらえるポイントは多くありません。
JREPOINTアップグレード、グリーン席・グランクラスが利用可能
JREPOINTアップグレードとは、ポイントを利用することで、グリーン席、グランクラス席を利用できるサービスです。グリーン席は1,500~3,000ポイント、グランクラスは4,500~8,000ポイントを利用することでアップグレードできます。
区間 | 通常の運賃 (自由席) | 通常の運賃 (グリーン席) | ポイント利用 (グリーン席) | ポイント付与 | |
東京⇔東北新幹線はやぶさ⇔川内 (片道) | 11,210円 | 14,870円 | 11,210円 | 224ポイント |
上記の場合、3,500ポイントを使ってグリーン席を利用できます。通常の運賃よりも3,660円安くなります。この場合、ポイント利用後の運賃は、自由席と同じです。つまり、ポイントを使うことで、グレードの高い座席を自由席と変わらない料金で利用できるということです。同時に、ポイントも付与されるため、ポイントも獲得できてとてもお得なサービスと言えます。