ここでは静岡と鹿児島の移動について、移動手段を比較していきます。両都市間は1200km離れており、移動手段は新幹線と飛行機の2つが上げられます。ここではそれぞれの交通手段について運賃、移動時間などを比較してみていきます。
鉄道(東海道・山陽・九州新幹線)
静岡駅⇔東海道・山陽・九州新幹線⇔ 鹿児島中央駅(乗り換えあり) | グリーン:39,980円 指定席:29,060円 自由席:27,050円 | 約6時間20分~ |
鉄道は東海道・山陽・九州新幹線を乗り継いで移動します。最低でも1回、多くて2回以上の乗り換えがあります。乗り換え回数が最小のものとしては、こだま・ひかりで静岡新大阪間を、新大阪鹿児島中央間をさくら・みずほで移動するのが最も少ないです。料金は最安値の自由席で27,050円と高額です。早特のような大幅に安くなる切符は設定されておらず、R東海のスマートサービスで予約できる割引切符を利用することで安くできます。ただし、これらの割引率自体は高くありません。
e特急券 | グリーン39,610円 指定席 28,160円 自由席 27,010円 | 会員制 当日予約可能 |
スマートEx | グリーン39,780円 指定席 28,860円 自由席 27,050円 | 無料会員 当日予約可能 |
Ex予約サービス | グリーン39,610円 指定席 28,160円 自由席 27,010円 | 有料会員 当日予約可能、早特は3日前 |
学生割引 | グリーン36,870円 指定席 25,950円 自由席 23,540円 | 学割証掲示で20%割引 |
最安値は学割の23,540円です。金券ショップでは、近距離の割引切符は多いですが、静岡鹿児島のような長距離となるとなかなか見つかりません。
移動時間は約6時間20分、乗車する列車によっては上下します。例えば静岡新大阪間が「こだま」か「ひかり」か、新大阪鹿児島中央間が「さくら」か」みずほ」か、または乗り換えが多いなどで、時間が変わります。おおむね6時間~7時間と考えてよいでしょう。運行本数については新幹線自体の運行本数が多いので、乗り換え時間が極端に長くなるようなことはありません。運行本数が少ない九州新幹線でも新大阪鹿児島間では1時間に1本~2本の本数があります。
これらを踏まえると、料金の高さや移動時間の長さで、鉄道は選択肢になりにくいです。6時間以上電車に乗車するというのはさすがにしんどく、料金の高さも相まって賢い選択肢とは言えません。
ツアー(鉄道)
次にツアーを見ていきます。ここでは鉄道の個人ツアー(1人)、静岡から鹿児島への旅行を例に取り上げます。
静岡駅⇔東海道・山陽・九州新幹線⇔ 鹿児島中央駅(乗り換えあり) | すべて込み 45,700円~ | 別々に予約した場合 特急:27,050円x2 ホテル:5,000円~ 合計:54,100円~ |
このツアーの場合は、最安値45,700円です。これらを別々に予約すると54,100円、差額にすると8,400円安くなります。これは1人で1泊の料金なので、人数を増やすか宿泊数が増えれば、その分の料金は増えます。また、夏季や行楽シーズンはこれよりも高くなります。さらに、ホテルの料金は5,000円としていますが、高級ホテルに宿泊すれば料金は増えます。これを片道当たりの料金に計算(ホテル代5,000円を引いて運賃を2で割る)すると22,850円です。ツアーを利用することで、かなり安くなるのがわかると思います。料金もさることながら、ホテルと交通費を一括で予約できるので、別々に予約する手間を減らせます。
飛行機(フジドリームエアライン、JAL、静岡空港⇔鹿児島空港)
静岡駅⇔しずてつバス⇔静岡空港 | 1,100円 | 約55分 | |
静岡空港⇔FDA・JAL⇔鹿児島空港 | 10,430円~ | 1時間45分 | |
鹿児島空港⇔ 鹿児島空港線バス⇔鹿児島中央駅 | 1,400円 | 約40分 | |
合計 | 12,930円~ | 合計:約4時間20分 |
次に飛行機での移動を比較します。飛行機はフジドリームエアライン、JALが共同で、1日1便運行しています。航空券は最安値のもので10,430円から購入でき、すべてを合わせて12,930円です。最安値でもなくとも、17,000円程度の航空券が購入できれば20,000円以下に減らせます。移動時間は待ち時間も含めて約4時間20分です。待ち時間を短縮できれば、約4時間ぐらいまで短くできるでしょう。空港と駅を接続する高速バスですが、渋滞による遅れなど懸念があります。静岡側では新東名が開通したことにより東名の交通量は減少、それにより渋滞は激減しています。鹿児島側の九州道の交通量は多くないので渋滞はなく、遅れに関してはさほど心配する必要はないでしょう。
羽田空港の格安航空券を利用する。
静岡駅⇔JR東海道新幹線⇔品川駅 ⇔京急本線急行⇔羽田空港 | 6,240円 | 約1時間35分 | |
羽田空港⇔飛行機⇔鹿児島空港 | 7,970円~ | 約2時間 | |
鹿児島空港⇔高速バス⇔鹿児島中央駅 | 1,400円 | 約40分 | |
合計 | 15,610円~ | 約5時間15分 |
*航空券価格は日によって変動あり。
次に、羽田空港を利用するケースを見ていきます。羽田空港からはJAL・ANA・スカイマーク、ソラシドエアーの4社が運航しています。この場合、航空券の最安値はスカイマークの7,970円、羽田空港と静岡駅の間は新幹線と京急を利用します。すべてを合わせて15,610円です。静岡空港の航空券と比べると航空券自体は安いもの、静岡東京間の新幹線で料金がかかるので、合計ではこちらの方が高くなります。もっとも、航空券の価格は変動するので、静岡空港の航空券の方が高く、こちらの方が安いこともあります。なお、静岡東京間の移動を高速バスにするのであれば、移動時間は増えるものの、これよりも安くできます。
移動時間は待ち時間も含めると、約5時間15分です。静岡空港を利用するよりも、55分余分に移動時間がかかります。また静岡東京間については、乗り換えがあります。運行本数は1日あたり12便あり充実しています。静岡空港はお昼に1便しかないことを考えると、こちらの方が時間の融通が利き、選択肢は多いでしょう。
MCC(ミドルコストキャリア)について
スカイマークやソラシドエアーはMCC(ミドルコストキャリア)と呼ばれています。MCCはLCCとFCC(通常の航空会社)の中間にあたる会社で、料金・サービスともにLCCとFCCの中間の質を提供しています。上記ではスカイマークがMCCに該当します。具体的には早割のチケットが購入可能、座席指定が無料、受託手荷物は一定量までは無料(追加料金がかからない)、予約変更・取り消しが可能などです。もっとも取り消しに関しては、利用した割引の種類によっては、利用できないもの、手数料がかかるもの、全額返金されないものなどがあります。FCCとの違いは、FCCは安い価格の航空券は数カ月先でないと入手できないのに対し、MCCは比較的直近(1カ月先)でも安い航空券が購入しやすい点があります。
静岡県東部と鹿児島の移動
移動の面では静岡空港を利用するのが良いですが、同じ静岡でも、沼津・三島・富士などの静岡東部が発着であれば話は別です。静岡県東部は羽田の方が近いので、最速の新幹線で移動するとすれば、空港までの移動時間は短いです。また、移動時間はかかるものの、三島から空港までの直行バスもあるので、静岡空港よりも羽田空港の方が行きやすいです。それを踏まえると、便数が多く時間の融通が利きやすい羽田の方も選択肢に入るでしょう。
成田空港のLCCを利用する。
静岡駅⇔JR東海道新幹線⇔東京駅 | 5,940円 (自由席) | 約1時間 | |
東京駅⇔エアポートバス ⇔成田空港第3ターミナル | 1,500円 | 約1時間5分 | |
成田空港⇔ジェットスター⇔鹿児島空港 | 6,900円~ | 約2時間15分 | |
鹿児島空港⇔⇔高速バス⇔鹿児島中央駅 | 1,400円 | 約40分 | |
合計 | 15,740円~ | 約6時間 |
*航空券価格は日によって変動あり。
成田空港のLCCを利用するケースも比較していきます。このケースでは東京静岡間を新幹線で移動し、東京成田空港間は高速バスを利用します。成田エクスプレスも利用できますが、空港まで3,000円と若干高くなります。LCCの場合、直近の予約でも安い航空券が多く、10,000円以下の航空券も多くあります。航空券の最安値は6,900円からあり、全ての合計は最安値で15,740円です。羽田空港の格安航空券よりも高いのは、静岡と空港間の移動で7,000円以上かかるためです。航空券の価格は変動するので、日によってはこちらの方が安くなることもあります。なお、東京静岡間の移動を高速バスにすることで、さらに交通費を節約できます。
移動時間は待ち時間も含めて、約6時間かかります。成田東京駅間の移動時間がある分、羽田空港経由と静岡空港経由よりも時間がかかります。また、空港への高速バスは渋滞により遅れる可能性もあり、遅れる場合はこれよりも時間がかかります。
LCCを利用する際の注意点
格安航空(LCC)はその安い価格が最大のメリットですが、ピーチやジェットスターなどのウェブサイトで直接予約する場合、基本的には予約便の変更・キャンセル・受託手荷物・座席指定ができません。これらは有料になるので、上記の価格に+手数料が必要になります。もしくは、これらサービスを利用したい場合、それらサービスを含めたオプションを選択する方法があります。若干値段が高くなりますが、上記のサービスが利用可能になります。
例えばピーチ便の場合、シンプルピーチ(機内持ち込み手荷物のみ)、バリューピーチ(変更・キャンセル・受託手荷物・座席指定あり)、プライムピーチ(バリューピーチのサービスに加え、受託手荷物2個、スマートシート指定無料)の3つがあります。シンプルピーチの場合、上記の価格ですが、プライムピートは1万円を超えます。
もっとも、ANAやJALの通常の航空券に比べれば圧倒的に安いです。その値段で各種サービスが受けられると考えると、圧倒的にコストパフォーマンスは高いでしょう。
名古屋の中部国際空港からLCC・格安航空券を利用する。
静岡駅⇔JR東海道新幹線⇔名古屋駅 ⇔名鉄特急ミュースカイ⇔中部国際空港 | 7,190円 (自由席) | 約2時間15分 | |
中部国際空港⇔スカイマーク, ソラシドエアー,ANA⇔那覇空港 | 6,940円~ | 約1時間30分 | |
鹿児島空港⇔⇔高速バス⇔鹿児島中央駅 | 1,400円 | 約40分 | |
合計 | 15,530円~ | 約5時間25分 |
*航空券価格は日によって変動あり。
つづいてセントレアの格安航空券を見ていきます。この場合、静岡中部国際空港間は新幹線・名鉄特急を利用し、名古屋駅で乗り換えるものとします。航空券の最安値は6,940円からで、交通費の合計は15,530円です。セントレアの場合、LCCは就航しておらず、この価格はソラシドエアーやスカイマークの最安値の料金です。おおむね10,000円台の航空券が多いと考えると、17,000円~19,000円程度を見積もるのが良いと思われます。新幹線での移動を高速バスに変えることで、空港までの移動は安くできますが、その代わり移動時間は増えます。
移動時間は、待ち時間も含めて約5時間25分になり、羽田空港を利用する場合とほぼ同じです。ちなみに、飛行機の航行時間はこちらの方が短いです。運行本数は1日あたり5本運行されています。
浜松(静岡県西部)と鹿児島の移動
静岡空港の方がトータルの移動時間は短いものの、浜松市と鹿児島市の移動になると少し状況が変わります。浜松市は名古屋寄りなうえ、浜松からセントレアまで直行バスが高頻度で出ているので、こちらの方が空港までのアクセスは良いです。静岡空港までも遠くはありませんが、1日1便の静岡空港よりも、運行本数が多く、安い便も多いセントレアの方が便利なので、こちらの方が選択肢に入るでしょう。
まとめ
以上をまとめると、鉄道とツアーは、選択肢には入りづらいでしょう。運賃、移動時間とともに静岡空港経由で移動するのが安く最短になります。ただし、航空券の価格は変動するため、ケースによっては東京、名古屋経由が安くなることもあります。羽田やセントレアはLCCが就航していないものの、羽田に関しては運行本数の多さが魅力的です。静岡県西部であればセントレア、静岡県東部であれば羽田、成田が近いので、そちらの方が便利になることも多いでしょう。
航空会社比較早見表
運賃 | 移動時間 | 備考 | |
鉄道 | 27,050円 | 約6時間20分 | |
ツアー | 22,850円 | 〃 | 宿泊費5,000円を引いて片道の運賃で計算 |
静岡空港経由 | 12,930円 | 約4時間20分 | |
羽田空港経由 | 15,610円~ | 約5時間15分 | |
成田空港経由 | 15,740円~ | 約6時間 | |
セントレア経由 | 15,530円~ | 約5時間25分 |