主に静岡市と名古屋市、その周辺地域も含めてそれぞれの移動手段について比較していきます。これら都市間の移動には新幹線こだま・ひかり号と、東名ハイウェイバスの高速バス、JR東海道線および名鉄名古屋線を利用する在来線の3つの移動手段があります。それぞれの移動手段を簡単に比較すると以下になります。
- 運賃 新幹線>在来線>高速バス
- 所要時間 高速バス>在来線>新幹線
単純に一番速いのは新幹線、一番安く移動できるのは高速バスです。以下、それぞれを比較していきます。
JR東海道新幹線ひかり・こだま
静岡駅⇔東海道新幹線 ひかり・こだま号⇔名古屋駅 | グリーン車8,940円 指定席料金6,670円 自由席料金5,940円 | ひかり54分 こだま約1時間16分 |
最安値の自由席料金は5,940円です。新幹線には各種割引切符があるので、それらを利用すればさらに料金を安くできます。以下が通常料金より安くなる割引切符です。
e特急券 | 8,200円(グリーン車) 5,940円(自由・指定席) | 会員制 当日予約可能 |
EX予約サービス | 8,200円(グリーン車) 6,300円(早特3予約グリーン車) 5,940円(自由・指定席) | 有料会員 当日予約可能 (早特は3日前) |
スマートEXサービス | 6,470円(指定席) 5,940円(自由席) | 無料会員 当日予約可能 |
金券購入 | 5,560円(自由席) | |
新幹線回数券(自由席のみ) | 5,490円 | (6枚で32,940円) |
学割 | 8,250円(グリーン車) 5,980円(指定席) 5,250円(自由席) | 学割証明必要 |
ぷらっとこだま | 6,700円(グリーン車) 4,900円(指定席) | 1日前まで購入可能 ドリンク引換券あり |
料金の幅は4,900円~8,250円です。ネット予約サービスの場合、自由席は割引にはならず、指定席、グリーン車のみが割引されます。回数券の場合、6枚つづりで購入することになるので、頻繁に利用するのであれば1回ごとの料金を安くできます。この中で一番安い料金で移動したいのであれば、前日までにネットで購入できる「ぷらっとこだま」を使うのが良いでしょう。
移動時間については、こだま号の場合、途中駅でのぞみ号の通過待ちをするので上記の所要時間になります。ひかり号で移動できれば、複数の駅を通過し通過待ちも少ないので大幅に時間を短縮できます。いずれにしても、他の交通手段との乗り換えがあったとしても、新幹線の移動はバスや在来線に比べて圧倒的に速く定時制が高いです。できる限り速く移動したいのであれば新幹線を利用するのが良いでしょう。
この区間の座席は座れるか?についてですが、こだま号であれば混雑する時期でなければほぼ座れるでしょう。特に平日の日中になると、ほとんど乗客が座っていない車両もあったりします。ひかり号の場合、こだま号よりも利用客が多いので座れない可能性もあります。ですが静岡駅・名古屋駅で降りる乗客が多いので、多くの場合は彼らが乗っていた席に座れます。
ツアーを利用して新幹線で移動する
もし、名古屋もしくは静岡で1泊以上宿泊するのであれば、ツアーを利用して移動する方法があります。ツアーといっても、大人数で旅行するタイプではなく、個人旅行で利用できるツアーです。これは、ホテルと新幹線の宿泊がセットになったプランで、一括で予約ができ料金は別々で予約するよりも大幅に安くなります。また、レンタカーがセットになったプランもあるので、ホテル、レンタカーを利用する場合はツアーで申し込むのが良いでしょう。ここでは1つのツアーの具体例をあげて、どの程度安いのか?見ていきます。
静岡・浜松駅⇔ 東海道新幹線こだま・ひかり ⇔名古屋駅(往復・ホテル1泊) | すべて込み 約15,000円 ~ | *別々に申し込んだ場合。 往復運賃:11,800円 ホテル代:5,000円~ 合計:16,800円~ |
ツアーの代金はすべて込み、ホテル代と新幹線の指定席料金を合わせた最安値は15,000円です。一方で、これらを別々に申し込んだ場合、自由席の往復料金とホテル代(楽天トラベルからの予約)を合わせて最低でも16,800円です。この場合、1,800円以上安くなる計算になります。ツアーパックなので、厳密には切符ではありません。そのため、学生割引などの割引は適用にはなりませんが、通常運賃よりも安い料金で移動ができるのは間違いありません。ちなみにぷらっとこだま往復料金とホテル代金で17,360円なので、ツアーを利用すればぷらっとこだまよりも安く移動することも可能です。なお、ホテルは栄にあるので、名古屋栄間を移動するのに地下鉄を使う必要がありますが、その分を含めても+100円程度なので安くなるのは変わりありません。
東名ハイウェイバス
静岡駅⇔東名ハイウェイバス ⇔名古屋駅新幹線口 | 3,080円 | 3時間39分 | |
東名静岡⇔東名ハイウェイバス ⇔名古屋駅新幹線口 | 3,020円 | 約3時間20分 |
次に高速バスを利用した移動を見ていきますと、料金は約3,000円、新幹線で移動する場合と比べて約5割安くなります。これはネット予約の事前割引(早特割引)を利用することで、さらに安くできます。
移動時間は約3時間20~40分です。高速バスの場合、渋滞や乗り降りの乗客により移動時間がこれよりも増えることがあり、実際は遅れるケースが多いです。そのため、高速バスを利用する場合、ある程度余裕を持った予定を立てておく必要があります。
静岡駅発着のバスは朝に静岡700発で1便、夕方2218着の1便しかありません。そのためそれ以外の時間帯に異動する場合、東名静岡で乗降する必要があります。この場合、1日8-10です。東名静岡は静岡駅から離れているので、目的地、出発地によっては東名静岡からさらにバスで乗り換えるか、知人や家族に送り向かいをしてもらう必要があります。
静岡以外から利用する場合と名古屋駅以外から利用する場合
東名ハイウェイバスの場合、静岡以外にも清水、焼津、吉田にも停車します。この地域を目的地、出発地とする場合は、わざわざ静岡まで電車やバスで行く必要がなく、乗り換え回数を減らせます。例えば東名焼津西のバス停、東名吉田のバス停などから乗車して、そのまま名古屋に行けるわけですね。これは静岡駅から新幹線を利用する場合にも同じことがいえます。
同様に、名古屋側においても、名古屋駅以外に栄、千種、本山、星が丘、名古屋インターにも停車します。名古屋駅までわざわざ行く必要がなく、目的地、出発地がその近辺であればすぐにバスに乗る、もしくは降りてすぐに目的地に到着できます。さらに、名古屋以外にも日進、豊田、岡崎にも停車するので、豊田⇔焼津、日進⇔静岡のような区間をバス1本で移動できます。新幹線の場合、名古屋駅から降りてバスや鉄道を利用する必要があるので、その分の乗り換え回数、余分にかかる運賃を減らせるメリットがあります。
渋滞の頻度はどうなのか?名鉄を利用して渋滞回避する方法
高速バスを利用する際に考えることは渋滞による遅れです。東名ハイウェイバスの場合、新東名の開通、延伸により渋滞の回数は大幅に減少しましたが、それでも名古屋地区を中心に朝や夕方、土日祝日は渋滞が発生します。また東名バスは、名古屋インターと名古屋駅の区間は一般道を走行するため、平日であっても、この区間は混雑の影響で遅れることがあります。特に朝夕の通勤時間帯は必ず遅れるといっても過言ではありません。
この区間の混雑回避の方法として、東名本宿とすぐ隣接する本宿駅で乗り換える方法があります。バス停と駅の間は徒歩1分程度の距離なので乗り換えがしやすいです。運行本数は日中の場合、名古屋行きは1時間に2本程度ありますし、急行も止まります。以下に詳細を書きます。
静岡駅/東名静岡 ⇔東名ハイウェイバス⇔東名本宿 | 2,150円 | 約1時間50分~2時間20分 | |
本宿駅⇔名鉄名古屋本線急行 ⇔名古屋駅 | 880円 | 約45分 | |
合計 | 3,030円 | 約2時間35分~3時間5分 |
料金は高速バス1本とほぼ同じくらいの料金です。所要時間に差があるのは、静岡駅を発着する場合は2時間20分程度の移動時間になるためです。上記に待ち時間とバス停と駅間の移動時間も考慮しても、こちらの方が若干移動時間が短くなります。ただ、高速バスは30分以上遅れることが多くあるので、それを考えると、名鉄を利用した方が移動時間は短縮されます。特に名古屋駅を目的地にする場合、高速バスよりも速く到着できるでしょう。
在来線(JR東海道線と名鉄名古屋本線)
静岡駅⇔JR東海道線⇔名古屋駅 *途中浜松・豊橋駅で乗り換えあり。 | 3,410円 | 約3時間 | |
静岡駅⇔JR東海道線⇔豊橋駅 ⇔名鉄急行⇔名鉄名古屋駅 | 3,120円 | 約3時間5分 |
最後に在来線のみの移動について比較していきます。料金は3,120円~3,410円ですが、名鉄で特別指定席を利用した場合は3,480円です。料金は新幹線より安く、高速バスよりは高い料金になります。移動時間は乗り換えなども含めるといずれも約3時間です。高速バスよりも少し短い移動時間です。
新幹線に比べれば安く、遅延などなければ時刻表通りに到着できます。運行本数も多いので時間の融通もききます。しかし、静岡豊橋間が各駅停車である点、混雑などによって座席が座れない可能性がある点、ボックスシートがメインである点(豊橋名古屋間はクロスシートあり)、また、豊橋駅で最低1回は乗り換えが必要になる点を考えると、あまり快適に移動できる手段ではありません。時間がかかっても安く移動したいのであれば乗り換えのない高速バスの方が快適でしょう。
クロスシートにこだわるのであれば、静岡浜松間のみを通勤時間帯のみ運行しているホームライナーで移動、浜松豊橋間は普通列車で、豊橋名古屋間を名鉄特急特別指定席(ミューチケット)で移動する方法もあります。この場合ホームライナー券310円とミューチケット360円が必要で、料金の合計は3,790円です。ホームライナーは朝夕の時間帯のみの運行ですので、その時間に合わせて予定を組む必要があります。
まとめ
以上をまとめると、最も安い移動手段は高速バスの約3,000円、最も速い移動手段は新幹線ひかり号の54分です。在来線はいずれもその中間になりますが、あまり利便性は感じられません。よって交通費を節約するのであれば高速バス、移動時間を短くするのであれば新幹線がベストの選択肢です。交通費を節約したいのであれば、高速バスの事前予約(早割)を利用することでさらに安くできます。高速バスは静岡駅発着の便が極端に少ないので時間の融通が利きません。新幹線で交通費を安くしたいのであれば、前日までに購入できるぷらっとこだま(4,900円)を利用するのがお勧めです。また、新幹線で移動しホテルに宿泊するのであれば、ツアーパックで申し込む方法も結果的にトータルのコストを安くでき、ぷらっとこだまよりも安くできるのでお勧めです。
移動手段比較早見表
移動手段 | 通常料金 | 最安値料金 | 移動時間 | 備考 |
東海道新幹線 | 5,940円 | 4,900円 | ひかり54分 こだま1時間16分 | 最速 ぷらっとこだまが最安値 |
高速バス | 3,080円 | ~3,080円 | 約3時間39分 | 最安値。 渋滞による遅れあり |
高速バス+名鉄 | 3,030円 | ~3,030円 | 約3時間5分 | 最安値。 渋滞回避、バス区間の遅れあり |
在来線 (JRのみ) | 3,410円 | ———- | 約3時間 | 複数回乗り換えあり。 ホームライナー券+310円 |
在来線 (JR+名鉄) | 3,120円 | ———- | 約3時間5分 | 複数回乗り換えあり。 ホームライナー券+310円 ミューチケット+360円 |
ツアー | 5,000円 | ———- | ひかり54分 こだま1時間16分 | 宿泊費を引いて片道の料金で計算 |