ここでは東京と鹿児島の移動について、移動手段を比較していきます。両都市間は1470km離れており、移動手段は新幹線と飛行機の2つが上げられます。高速バスは運行しておらず、フェリーは貨物船は運行されているものの、旅客船はありません。ここではそれぞれの交通手段について運賃、移動時間などを比較してみていきます。
鉄道(東海道・山陽・九州新幹線)
東京駅⇔東海道・山陽・九州新幹線⇔ 鹿児島中央駅(乗り換えあり) | グリーン:42,400円 指定席:31,480円 自由席:29,360円 | 約6時間45分~ |
鉄道は東海道・山陽・九州新幹線を乗り継いで移動します。最低でも1回の乗り換えがあります。なお、利用する列車は最速の「のぞみ」・「みずほ」のみとして計算しています。それ以外の列車を利用すると、移動時間が長くなってしまうからです。乗り換えは新大阪駅および博多駅での乗り換えになります。料金は最安値の自由席で29,360円と高額です。早特のような大幅に安くなる切符は設定されておらず、JR東海のスマートサービスで予約できる割引切符を利用することで安くできます。ただし、これらの割引率自体は高くありません。
e特急券 | グリーン41,750円 指定席 30,300円 自由席 28,860円 | 会員制 当日予約可能 |
スマートEx | グリーン42,200円 指定席 31,280円 | 無料会員 当日予約可能 |
Ex予約サービス | グリーン41,750円 指定席 30,030円 自由席 28,860円 | 有料会員 当日予約可能、早特は3日前 |
学生割引 | グリーン36,870円 指定席 28,130円 自由席 26,010円 | 学割証掲示で20%割引 |
最安値は学割の26,010円です。金券ショップでは、近距離の割引切符は多いですが、東京鹿児島のような長距離となるとなかなか見つかりません。利用者が少ないのが理由でしょう。
移動時間は約6時間45分です。これは乗り換えの時間も含めます。「ひかり」、「さくら」を利用するとこれよりも長くなります。運行本数は非常に多いものの、長距離を走る列車に限定すると、区間によっては、その数は限定されます。例えば鹿児島中央新大阪間は1時間に1本程度ありますが、最速達列車に限ると1日1本もありません。博多鹿児島中央間も、運行本数は多いものの、最速達の「みずほ」に限定すると、1日10本以下です。「さくら」については高頻度で運行されています。一方で、東京博多間については1日あたり最低でも1時間に1本はあり、時間の融通は利きます。
これらを踏まえると、料金の高さや移動時間の長さで、鉄道は選択肢になりにくいです。6時間以上電車に乗車するというのはしんどく、料金の高さも相まって賢い選択肢とは言えません。
ツアー(鉄道)
次にツアーを見ていきます。ここでは鉄道の個人ツアー(1人1泊)、東京から鹿児島への旅行を例に取り上げます。
東京駅⇔東海道・山陽・九州新幹線⇔ 鹿児島中央駅(乗り換えあり) | すべて込み 49,200円~ | 別々に予約した場合 特急:29,360円x2 ホテル:5,000円~ 合計:63,720円~ |
このツアーの場合は、最安49,200円です。これらを別々に予約すると63,720円、差額にすると14,520円も安くなります。これは1人で1泊の料金なので、人数を増やすか宿泊数が増えれば、その分の料金は増えます。また、夏季や行楽シーズンはこれよりも高くなります。さらに、ホテルの料金は5,000円としていますが、高級ホテルに宿泊すれば料金は増えます。これを片道当たりの料金に計算(ホテル代5,000円を引いて運賃を2で割る)すると22,100円です。ツアーを利用することで、かなり安くなるのがわかると思います。料金もさることながら、ホテルと交通費を一括で予約できるので、別々に予約する手間を減らせます。ツアーが大幅に安い理由は、恐らく移動時間が長すぎるため、ここまで安くしないと購入してくれる人がいないのが理由でしょう。
飛行機:羽田空港の格安航空券を利用する。
東京駅⇔山手線・モノレール ⇔羽田空港(浜松町駅経由) | 670円 | 約30分 | |
羽田空港⇔飛行機⇔鹿児島空港 | 7,970円~ | 約2時間 | |
鹿児島空港⇔高速バス⇔鹿児島中央駅 | 1,400円 | 約40分 | |
合計 | 10,040円~ | 約4時間10分 |
*航空券価格は日によって変動あり。
次に、飛行機での移動、羽田空港を利用するケースを見ていきます。羽田空港からはJAL・ANA・スカイマーク、ソラシドエアーの4社が運航しています。ここでは東京駅、鹿児島駅を起終点として比較します。この場合、航空券の最安値はスカイマークの7,970円で、すべてを合わせて10,040円です。
移動時間は待ち時間も含めると、約4時間10分です。国内線の利用なので、待ち時間を短くできれば4時間以内に抑えられます。乗り換えが3回あるのが特徴で、東京側では山手線、モノレールの2回の乗り換えが発生します。運行本数は1日あたり12便あり充実しています。
MCC(ミドルコストキャリア)について
スカイマークやソラシドエアーはMCC(ミドルコストキャリア)と呼ばれています。MCCはLCCとFCC(通常の航空会社)の中間にあたる会社で、料金・サービスともにLCCとFCCの中間の質を提供しています。上記ではスカイマークがMCCに該当します。具体的には早割のチケットが購入可能、座席指定が無料、受託手荷物は一定量までは無料(追加料金がかからない)、予約変更・取り消しが可能などです。もっとも取り消しに関しては、利用した割引の種類によっては、利用できないもの、手数料がかかるもの、全額返金されないものなどがあります。FCCとの違いは、FCCは安い価格の航空券は数カ月先でないと入手できないのに対し、MCCは比較的直近(1カ月先)でも安い航空券が購入しやすい点があります。
飛行機:成田空港のLCCを利用する。
東京駅⇔エアポートバス ⇔成田空港第3ターミナル | 1,500円 | 約1時間5分 | |
成田空港⇔ジェットスター⇔鹿児島空港 | 6,900円~ | 約2時間15分 | |
鹿児島空港⇔⇔高速バス⇔鹿児島中央駅 | 1,400円 | 約40分 | |
合計 | 9,800円~ | 約5時間 |
*航空券価格は日によって変動あり。
成田空港のLCCを利用するケースも比較していきます。このケースも、東京駅鹿児島駅を起終点とします。東京側は高速バスを利用します。成田エクスプレスも利用できますが、空港まで3,000円と若干高くなります。LCCの場合、直近の予約でも安い航空券が多く、10,000円以下の航空券も多くあります。航空券の最安値は6,900円からあり、全ての合計は最安値で9,800円です。羽田空港の航空券と比べると差額は小さいですが、これは空港までの高速バスの運賃が高いのが理由です。ただし、羽田空港の航空便は10,000円を超える航空券が多いので、それを踏まえると成田のLCCの方が、安い日が多くなると考えた方が良いでしょう。
移動時間は、待ち時間も含めて約5時間かかります。成田東京駅間の移動時間がある分、時間がかかります。運行本数は少なく、1日1便のみです。
LCCを利用する際の注意点
格安航空(LCC)はその安い価格が最大のメリットですが、ピーチやジェットスターなどのウェブサイトで直接予約する場合、基本的には予約便の変更・キャンセル・受託手荷物・座席指定ができません。これらは有料になるので、上記の価格に+手数料が必要になります。もしくは、これらサービスを利用したい場合、それらサービスを含めたオプションを選択する方法があります。若干値段が高くなりますが、上記のサービスが利用可能になります。
例えばピーチ便の場合、シンプルピーチ(機内持ち込み手荷物のみ)、バリューピーチ(変更・キャンセル・受託手荷物・座席指定あり)、プライムピーチ(バリューピーチのサービスに加え、受託手荷物2個、スマートシート指定無料)の3つがあります。シンプルピーチの場合、上記の価格ですが、プライムピートは1万円を超えます。
もっとも、ANAやJALの通常の航空券に比べれば圧倒的に安いです。その値段で各種サービスが受けられると考えると、圧倒的にコストパフォーマンスは高いでしょう。
まとめ
以上をまとめると、運賃、移動時間いずれを見ても飛行機の方が安くて短いです。特に羽田便は本数も多く使いやすいです。新幹線は、運行本数は多いものの運賃が高く、移動に時間がかかりすぎで大変です。ただし、乗り換え面では、鹿児島市内が起終点であれば新幹線の方が便利です。運賃面では、LCCを利用する成田空港経由ですが、本数が1日1本しかないのが難点です。
航空会社比較早見表
運賃 | 移動時間 | 備考 | |
鉄道 | 29,360円 | 約6時間45分 | |
ツアー | 22,100円 | 〃 | 宿泊費5,000円を引いて片道の運賃で計算 |
飛行機:羽田経由 | 10,040円~ | 約4時間10分 | |
飛行機:成田経由 | 9,800円~ | 約5時間 | 1日1便のみ |