高知は四国の南部に位置する都市で、高知県の県庁所在地です。東京と高知間の距離は約910km離れており、移動手段には、鉄道(新幹線+特急)、夜行バス、飛行機の3つが存在します。ここでは、それぞれの移動手段を比較してみていきます。
東海道・山陽新幹線・特急南風
![]() | 東京駅⇔東海道・山陽新幹線 ⇔岡山駅⇔特急南風⇔高知駅 | グリーン:30,710円 指定席:22,370円 自由席:20,670円 | 6時間59分 |
はじめに鉄道を比較します。東京岡山間を東海道・山陽新幹線、岡山高知間は特急南風を利用します。新幹線区間は、「のぞみ」「ひかり」が直通で運行しており、乗り換えせずに移動できます。料金は自由席が20,670円、移動時間は、乗り換えも含めて約7時間です。移動時間のうち、岡山高知間の特急の乗車時間はかなり長く、これが移動時間が長い理由です。岡山発着のひかりを利用すると、のぞみに比べてさらに移動時間が増えます。これは「ひかり」の停車駅が、「のぞみ」に比べて多いのが理由です。なので、最速で移動するのであれば、のぞみ以外の選択肢はないでしょう。もっとも移動時間自体が長すぎるため、それが鉄道のデメリットです。せめて四国内を新幹線で移動できれば、この時間は大幅に短縮されるでしょう。
運行本数は多く、1時間あたり4本の東京行きの「のぞみ」が運行されています。「ひかり」は、1時間あたり1本運行されています。南風は1時間あたり1本運行されています。
この区間には割引切符がなく、学生割引の切符しか利用できません。EXサービスも対象外で、JR四国ツアーが販売するのぞみ早特往復きっぷも、高松~松山間のみで、高知には設定がありません。
学生割引 | グリーン28,200円 指定席 19,860円 自由席 18,160円 | 学割証掲示で20%割引 |
ツアー(鉄道)
次にツアーを見ていきます。ここでは鉄道の個人ツアー(1人)、東京から高知への往復の旅行ツアーを例に取り上げます。
![]() | 東京駅⇔東海道・山陽新幹線⇔ 岡山駅⇔特急南風⇔高知駅 | すべて込み 39,800円~ | 別々に予約した場合 特急:20,670円x2 ホテル:5,000円~ 合計:46,345円~ |
ツアーの最安値は、39,800円です。これらを別々に予約すると46,340円かかりますが、差額にすると6,545円安くなります。これは1人で1泊の料金なので、人数を増やすか宿泊数が増えれば、その分の料金は増えます。また、夏季や行楽シーズンはこれよりも高くなります。さらに、ホテルの料金は5,000円としていますが、高級ホテルに宿泊すれば料金は増えます。これを片道当たりの料金に計算(ホテル代5,000円を引いて運賃を2で割る)すると、17,400円です。この区間は割引切符がないので、ツアーを利用する方法が、唯一、鉄道の運賃を安くする方法になります。料金もさることながら、ホテルと交通費を一括で予約できるので、別々に予約する手間を減らせます。
高速バス(夜行バス)
![]() | TDL・東京駅・バスタ新宿 ⇔スマイルライナー ⇔徳島駅・高知駅 ・はりやま橋・桟橋 | 7,000円~ | 夜19時発、朝7時着 |
![]() | 東京駅・バスタ新宿 ⇔オリオン号⇔高知駅 | 7,000円~ | 夜20時発、朝8時着 |
![]() | TDL・東京駅 ・バスタ新宿・横浜駅⇔ KOTOBUS EXPRESS⇔ 高知駅 | 6,200円~ | 夜20時発 朝7時着 |
次に夜行バスを見ていきます。夜行バスは、全部で3便が運行しています。いずれも東京駅、バスタ新宿、高知駅に停車しますが、スマイルライナーは徳島、琴平バスは高松に立ち寄ります。運賃は安いもので6,200円、これは4列シートであることが多いですが、3列シートやそれ以上のグレードのシートを選択すると、高くなります。いずれも夜の7時~8時発で、朝の7時~8時に到着します。1晩を車内で過ごすことになるので、実質、宿泊も兼ねています。停車するバス停については大きな差はなく、しいてあげれば琴平バスが横浜駅に、オリオン号以外がTDL(東京ディズニーランド)に停車する程度です。自分が利用しやすいものを利用するのが良いでしょう。
飛行機(羽田発着のJAL・ANA)
![]() | 東京駅⇔山手線・モノレール ⇔羽田空港(浜松町駅経由) | 670円 | 約30分 |
![]() | 羽田空港⇔飛行機⇔高知空港 | 12,360円~ | 約1時間25分 |
![]() | 高知空港⇔高知空港線⇔高知駅 | 810円 | 約35分 |
合計 | 13,840円~ | 約3時間30分 |
*航空券価格は日によって変動あり。
次に飛行機での移動、羽田空港を利用するケースを見ていきます。羽田空港からはJAL・ANAが1日10便運行されています。運賃は最安値の物で12,360円、空港と駅のバス鉄道も含めると、13,840円です。なお、通常の航空券は50,000円以上の値段です。最安値でなくとも、格安航空券が利用できれば、新幹線よりも安い運賃で移動できるでしょう。移動時間は約3時間30分で、移動手段の中では最速、鉄道の半分以下です。移動手段の中では一番現実的な交通手段で、格安航空券を事前に予約して移動するのが最適な選択肢でしょう。
成田発着のLCC(ジェットスター)
![]() | 東京駅⇔エアポートバス ⇔成田空港第3ターミナル | 1,500円 | 約1時間5分 |
![]() | 成田空港⇔ジェットスター⇔高知空港 | 5,930円~ | 約1時間40分 |
![]() | 高知空港⇔⇔高知空港線⇔高知駅 | 810円 | 約35分 |
合計 | 8,240円~ | 約4時間20分 |
*航空券価格は日によって変動あり。
高知空港にはLCCも就航しているので、こちらのケースも比較していきます。この場合、ジェットスターを利用します。東京側は高速バスを利用して、駅と空港を移動します。成田エクスプレスも利用できますが、空港まで3,000円と若干高くなります。LCCの場合、直近の予約でも安い航空券が多く、10,000円以下の航空券も多くあります。航空券の最安値は5,930円からあり、全ての合計は最安値で8,240円です。すべての交通手段を比較すると、夜行バスの次に安くなります。移動時間は4時間20分で、羽田空港の航空便よりも長くなります。これは成田空港と東京駅間の高速バスの移動時間が長いのが理由ですが、高速道路の渋滞によっては、さらに時間がかかることもあります。運行本数は少なく1日1便しかありません。移動時間は若干長くなるものの、運賃の安さを考えるとこちらも現実的な選択肢です。仮に空港までを成田エクスプレスで移動しても、新幹線の自由席運賃よりは安いです。
まとめ
以上をまとめると、運賃では夜行バスがもっとも安く、宿泊費も兼ねていると考えると、これが最安値になります。飛行機は、羽田便とLCC便いずれも、運賃、移動時間とともに鉄道より短く、羽田便については最短の移動手段です。鉄道については、ツアーを利用することで安くできるものの、移動時間が長すぎるため、選択肢候補としては厳しいです。飛行機がもっとも現実的な選択肢になるでしょう。
交通手段比較早見表
運賃 | 移動時間 | 備考 | |
鉄道 | 20,670円 | 約6時間59分~ | 最安値は のぞみ早特往復きっぷ |
ツアー | 17,400円 | 〃 | 宿泊費5,000円を引いて 片道の運賃で計算 |
夜行バス | 6,200円~ | 夜発朝着 | |
飛行機(JAL・ANA) | 13,840円~ | 約3時間30分 | |
飛行機(LCC) | 8,240円~ | 約4時間20分 |
*鉄道の学割は、最安値ではあるものの、利用者が学生のみに限定されるので、最安値運賃からは除外。