ここでは、愛知県名古屋市と四国西部に位置する愛媛県松山市の都市間移動について比較していきます。名古屋市と松山市は約580km離れています。移動手段は鉄道とバス、飛行機の3つがあります。それぞれを比較してみていきます。
JR東海道・山陽新幹線・特急しおかぜ
![]() | 名古屋駅⇔東海道・山陽新幹線 ⇔岡山駅⇔特急しおかぜ⇔松山駅 | グリーン車 25,620円 指定席 18,300円 自由席 16,710円 | 4時間34分 |
初めに鉄道での移動を比較します。この場合、名古屋岡山間は新幹線、岡山松山間は、在来線の特急しおかぜに乗り換えて移動します。料金は、最も安い自由席で16,710円です。この区間は、JR東海、JR西日本、JR四国の3社をまたぐため、割引切符は設定されていません。下記の学割切符のみ利用できます。
学割 | グリーン23,590円 指定席 16,270円 自由席 14,680円 | 学割証明必要 |
移動時間は乗り換えの時間も合わせて、約4時間30分です。これは新幹線区間を「のぞみ」で移動した場合ですので、「ひかり」「こだま」を利用した場合、さらに移動時間がかかります。「ひかり」の場合、名古屋岡山を乗り換えなしで移動できますが、「こだま」は、新大阪で必ず乗り換えが必要になるので、「こだま」に乗車するメリットはありません。移動時間のうち、新幹線は1時間30分ですが、特急は約2時間45分で、特急の方が時間が長いです。これは特急が在来線を走ることが理由ですが、この長さが大変と思う人も多いかと思います。運行本数は、新幹線は乗り換えなしの「のぞみ」が高頻度、1時間あたり3本~4本運行されており、特急しおかぜは1時間あたり1本の運行です。
ツアーを利用して移動する
新幹線を利用する場合、1泊以上ホテルで宿泊するのであれば、個人のツアーパックを申し込む方法もあります。これは1人以上から利用できるツアーを利用します。料金は往復の交通費+宿泊費を含んだ料金で、通常価格よりも安い値段で提供されています。ツアーのメリットは、通常価格より割引されるのと、ホテルと合わせて予約できる点です。わざわざ、別のサイトでホテルを予約する必要がなく、一括で予約ができるため、時間を節約できます。ここでは、名古屋から松山の往復ツアーを、具体例をあげてみていきます。
![]() | 名古屋駅⇔東海道・山陽新幹線 ⇔岡山駅⇔特急しおかぜ⇔松山駅 (往復・ホテル1泊) | すべて込み 36,100円~ | 別々で予約した場合 運賃:16,710円x2 ホテル:5,000円~ 合計:38,420円~ |
ツアーは最安値のもので36,100円ですが、新幹線・ホテルを別々に予約すると38,420円になり、ツアーを利用した方が2320円安くなります。この料金は1人当たりの価格であり、かつ最安値のホテルを選択した場合です。人数を増やして、高級ホテルを選択した場合は、これよりも高くなります。このツアー料金を、片道あたりの運賃(宿泊費用5,000円を引いて、往復の運賃を2で割る)で計算すると、15,550円になります。通常の切符と比べると安くなるのがわかると思います。名古屋松山間は、割引切符がないので、ツアーを利用するのが良い選択肢になるでしょう。
高速バス(夜行便)
![]() | 名鉄バスセンター⇔名鉄バス ⇔川内・松山IC・松山市駅・ 道後温泉・松山室町営業所 | 7,000円~ | 21~23時発5~6時着 |
![]() | 名古屋駅・近鉄四日市駅 ⇔KOTOBUS EXPRESS ⇔松山駅前東口 | 7,100円~ | 19~23時発7時~9時着 |
![]() | 名古屋駅・岩塚駅・桑名駅 ⇔オリーブ松山号⇔川内・松山IC ・大街道・JR松山駅 | 7,000円~ | 19時~23時発6~9時着 |
次に高速バスを見ていきます。名古屋松山間は、夜行バスが別々の会社によって3便運行されています。いずれも、途中に徳島・高松に停車し愛媛県内を発着とするバスです。なお、琴平バスとオリーブ号は前者が三重県の桑名、後者が四日市にも停車します。運賃は7,000円台からで、特定のバス会社が特段安いわけではありません。ただし、この運賃は日によって変動します。高いバスで10,000円台のバスもありますが、車中泊する形で、宿泊費を節約できると考えると、それでも鉄道よりは安いでしょう。
バスはいずれも3列シートからなり、車内ではプライバシーをある程度確保し移動できます。停車するバス停については、名古屋側は、おおむね名鉄バスセンターおよび名古屋駅ですが、愛媛側は松山市内の各所、および松山市駅と松山駅が多いです。なお、名鉄バス(伊予鉄道)については、松山が発着ではなく、その先の愛媛県南部、大洲、八幡浜まで向かいます。
なお、かつては日中の高速バスも運行されていましたが、現在は運行されていません。日中にバスのみで移動する場合、大阪や神戸で乗り換えて移動する必要があります。
飛行機(ANA)
![]() | 名鉄名古屋駅⇔空港特急⇔ セントレア⇔飛行機⇔松山空港 ⇔空港リムジンバス ⇔松山駅・松山市駅 | ミュースカイ:980円 飛行機:14,340円~ 松山バス:800円 合計:16,120円~ | ミュースカイ:約35分 飛行機:1時間05分 松山バス:約25分 合計:約3時間05分 |
次に飛行機を見ていきます。飛行機はANAが1日3便、中部国際空港と松山空港の間を運行しています。朝と夕方のみの運行なので、時間の融通は利きません。なお、LCCは運行していません。運賃は最安値のもので14,340円、バス、空港アクセス鉄道も含めた合計は16,120円です。移動時間は、待ち時間+1時間を含めて約3時間です。乗り換えが多いものの、新幹線に比べて早いので、こちらがメインの移動手段になるでしょう。
空港までのルートのうち、名鉄ミュースカイは、指定席の料金を含みません。特別車の指定席を指定する場合は、+450円の料金がかかります。
愛媛側は空港と市街地はバスで移動します。空港は松山市街地の西側にあり、比較的近接しているため、移動に時間はかかりません。また、このバスは、松山駅と松山市駅の両方に停車するため、どちらが発着の場合も便利です。
まとめ
以上をまとめると、名古屋と松山の移動は、とにかく安く移動したいのであれば高速バス、そうでなければ、鉄道か飛行機が選択肢になるでしょう。上記の比較では、運賃はほぼ同じ、移動時間は飛行機の方が早いですが、運行本数の少なさや、航空券の価格変動で高くなるケースを考えると、必ずしも飛行機が有利とはいえません。鉄道は移動時間が長いのが難点ですが、飛行機と比べると1時間30分長いだけです。ツアーを利用すれば、飛行機よりも安く移動できるので、こちらも、十分選択肢には入るでしょう。
交通手段比較早見表
移動手段 | 通常料金 | 移動時間 | 備考 |
鉄道 | 16,710円 | 4時間34分 | 岡山駅乗り換え |
ツアー | 15,550円~ | 〃 | 片道あたりの運賃で計算 |
夜行バス | 7,000円~ | 夜発朝着 | 宿泊費節約可能 |
飛行機 | 16,120円~ | 3時間5分 |